2006年4月8日(土)「しんぶん赤旗」
民主新代表に小沢氏
民主党は七日、メール問題をめぐり執行部が総退陣したことを受け、東京都内のホテルで党大会に代わる両院議員総会を開いて代表選を実施しました。衆参国会議員の投票の結果、小沢一郎前副代表(63)が百十九票を獲得し、菅直人元代表(59)を四十七票差で破って新代表に選出されました。任期は前原誠司前代表の残りの任期である九月末までです。
小沢氏は代表選に先立つ演説で「政権交代こそが日本の真の『構造改革』だ。民主党は危機に直面している。二大政党制と政権交代の火を消してはならない」と訴えました。
また「日本は小泉政治の結果、屋台骨が崩れ、迷走を続けている」として、「市場万能」主義やアジア外交を批判。一方で、日米同盟強化や小選挙区制導入、消費税10%への増税などを主張した十三年前の自著『日本改造計画』を具体化し、党内で論議して新たな政権構想とする考えを示しました。
「内政の重要課題」として(1)人材育成(2)地域主権(3)経済の「真の構造改革」―を挙げ、「政策立案、国会論戦、日常活動のすべてにおいて自民党との対立軸を明示しなければならない」とのべました。
小沢氏は代表選出後の記者会見で、今後の執行部人事について「菅さんとの関係でいえば二人三脚、鳩山(由紀夫)幹事長(前)も挙党態勢維持に腐心してくれたので、三人が力を合わせてやることも考えなくちゃいけない」と菅、鳩山両氏の名前を挙げ、八日中に内定する考えを示しました。
また「行革推進」法案などの重要法案への対応は「党内議論と合意で明確な結論を出さなくてはならない」とのべ、具体的に言及しませんでした。
小沢氏の就任について
市田書記局長が語る
日本共産党の市田忠義書記局長は七日、国会内で、小沢一郎氏が民主党の新代表に就任したことについて記者団に問われ、「民主党が、執行部の総入れ替えを余儀なくされるにいたった経緯に照らせば、同党に求められるのは、自民党政治に対して事実と道理をもって対決する野党としての立場を鮮明にすることだ」とのべました。
また、市田氏は、同党が前原前執行部のもとで、「規制緩和万能」論など小泉「構造改革」の問題でも、日本を「アメリカとともに戦争をする国」に改変する憲法九条改悪の問題でも、国政の基本問題で、自民党と共通のレールの上で推進を競い合ってきたと指摘。「新しい執行部がこうした問題をどう総括し、自民党政治にどのような姿勢でのぞむのか、今後を注視したい」とのべました。