2006年4月6日(木)「しんぶん赤旗」

原発の段階的廃止確認

独政府 再生可能エネルギー重視


 【ベルリン=中村美弥子】ドイツのメルケル首相は三日夜、同国の長期的なエネルギー政策を協議する政財間会合をベルリンで開きました。会合は、原子力発電を二〇二〇年までに段階的に廃止するという昨年十一月の連立政権合意を確認。首相は会合終了後、政府として再生可能エネルギー研究に二十億ユーロ(約二千八百億円)を拠出していくことを明らかにしました。

 メルケル首相によると、会合の主要テーマは「輸入エネルギーへの依存をどう制限し、価格高騰を防ぐか」でした。グロス経済相、ガブリエル環境相、エネルギー業界の代表、労働組合の代表らが出席。今後も会合を重ね、来年末までに長期的なエネルギー政策を策定していく予定です。

 ドイツは、石油、天然ガスなど発電用エネルギーの半分以上を輸入に頼っています。同国に十七基ある原子力発電所は電力の三割、風力や太陽光などの再生可能エネルギーは一割を占めています。

 ガブリエル環境相は、「二〇年までに再生可能エネルギーが電力の20―25%をまかなうことは可能だ」(ウェルト紙二日付)と語り、原子力発電の代替として再生可能エネルギーに力を入れていく立場を示しました。

 同国のエネルギー業界も、原子力発電所を段階的に廃止していくという政府の方針に協力していくと表明しました。また、インフラ整備や環境に配慮した新発電所建設のために三百億ユーロ(約四兆二千億円)を投資すると約束しました。


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