2006年4月4日(火)「しんぶん赤旗」
自立支援法で124人退所
施設利用 障害者に負担重く
障害者「自立支援」法が一日に施行され、施設利用に応益(一割の定率)負担が課せられることになった影響で、施設を退所したり、退所の意思を示している人が全国で百二十四人にのぼっていることが三日、きょうされん(立岡晄理事長)の調査で分かりました。同日、厚生労働省で記者会見を行い、発表しました。
同法は昨年十月、自民、公明両党が、日本共産党などの反対を押しきって成立させました。
応益負担導入の影響で、障害者が働いて得る工賃が利用料を下回るため、本人の意思に反して利用を断念せざるを得ない状況が生まれています。調査は、法律の問題点や今後の改善課題を探るために実施したもの。三月十七日から三十一日までに、きょうされん加盟の五百十七施設にファクスか郵送で依頼。期限内に返信のない施設には、施設長に電話で聞き取りしました。(回収率100%)
退所を検討している人二百五人を含めると、三百二十九人となり、在籍者数(一万二千七百四十二人)の約2・6%に相当します。
きょうされんの多田薫事務局長は「法施行直前の調査で、実際に応益負担が実施されれば増加することが予想される。このままでは、地域生活は危うくなる」と話しました。
きょうされんは、全国千七百カ所の障害者共同作業所が加盟してつくる団体です。