2006年4月1日(土)「しんぶん赤旗」

前原執行部が総退陣

民主 偽メールで引責


永田議員も辞職願

 民主党の前原誠司代表は三十一日、虚偽の「送金メール」問題の責任をとって辞任を表明しました。前原氏は、同日の両院議員総会で、「支持者、国民を失望させたすべての責任は私にある」と陳謝。同氏の代表辞任を受け、執行部は総退陣することになりました。四月七日に新代表を選出する両院議員総会を開く見通しです。

 前原氏は同日、記者会見し、「問題を打開するために人心一新が必要だと考えた。国民におわびしたい」とのべました。

 虚偽「メール」をとりあげた永田寿康衆院議員も同日、議員辞職する意向を同党に伝え、衆院に辞職願を提出しました。

 岡田克也前代表から今年九月までの任期を引き継いだ前原氏の辞任で、同党の代表は四人続けて、任期途中での辞任となりました。二〇〇四年九月からの同一任期に三人目の代表を選ぶという異例の事態です。

 貧困と格差の広がりや耐震強度偽装問題、ライブドア事件など、小泉「改革」の害悪が焦点となっていた予算審議の最中に民主党が引き起こした「メール騒動」。民主党の国会論戦に影響を与え、ライブドア問題などいわゆる「四点セット」の追及は影をひそめました。

 前原氏は代表就任直後から、「憲法改正は必要だ」とのべ、戦力不保持を定めた九条二項の削除や集団的自衛権の行使を認めるべきだと繰り返し主張。内政では、小泉政権と「改革競争」を行うと宣言し、同じ方向で改革のスピードを競う「対案路線」を打ち出していましたが、六カ月目で辞任に追い込まれることになりました。

1千万円提供考えた 仲介者とやりとり

 民主党は三十一日、「メール」問題検証チームの報告書を公表しました。それによれば、永田寿康衆院議員の質問後に、情報仲介者の西澤孝氏と民主党の間で一千万円程度の金銭のやりとりを考えた局面があったことが明らかになりました。(4面に報告書要旨)

 二月十九日に西澤氏から永田氏に「(情報提供者が)データの入ったハードディスクを売ってもいいと言っている」との連絡があり、それを野田佳彦国対委員長(当時)に報告したとしています。野田氏は「西澤氏と『情報提供者』とハードディスクを保護下に置くことが最優先」として、二人を「職員として雇用して生活を保障することも考える」と述べました。永田氏は「自分で一千万円程度は用意できる」と述べ、野田氏は「必要なら党で用意できる」と述べたといいます。

 西澤氏は、永田議員に経済的な迷惑をかけるわけにはいかないと、断ったとしています。

 報告書は経過から見た問題点として、永田氏は当然行うべき客観的調査や「情報提供者」と接触する努力すら行わず、口座番号を得ていない状況で二月十六日の衆院予算委員会で「口座情報を得ている」と虚偽の質問をしたことを明らかにしています。

 さらに、「メール」の作成者も「不明であり、その調査は不可能」と断定。虚偽情報で質問したことについては、「事前のチェック体制が整備されていなかった」とし、調査も準備もずさんな質問だったことを改めて浮き彫りにしています。


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