2006年3月31日(金)「しんぶん赤旗」
政治介入許さぬ保障を
吉川議員 NHK会長に求める
参院総務委
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日本共産党の吉川春子議員は三十日、参院総務委員会で、「慰安婦」問題を扱ったNHK「ETV番組」が自民党議員の圧力で改変された問題を取り上げました。吉川議員はNHKに対し、政治家への個別番組の事前説明を禁止するなど、政治介入を排除する具体策を求めました。
吉川議員は、NHK裁判の控訴審(三月二十二日、東京高裁)で、当時の番組編集責任者だった永田浩三チーフプロデューサーが、事前説明用の「マニュアル」を作成したことを認めたと指摘。「マニュアルは、慰安婦問題についてのNHKの見解が詳細に記述されている。こうした事を安倍氏(現官房長官)に説明したのではないか」とただしました。
NHKの原田豊彦理事はマニュアルの存在を否定し、橋本元一会長は「政治家からの介入はこれまでもないし、これからもありえない」とのべました。
吉川議員は、NHK幹部が安倍氏に会ってから番組の改変が行われたのは事実とのべ、「報道の自由を守り政治介入を許さない制度的保障が必要。NHKが発表する新ガイドラインで、政治との距離をきちんととるのか」と追及。橋本会長は「公平・公正、自主・自律を報道の規範としていきたい」と答えました。
NHK予算承認
質疑終了後、二〇〇六年度NHK予算案を賛成多数で承認しました。日本共産党は「番組改変問題に対して、国民の疑問に答え、真摯(しんし)に取り組む姿勢を欠いている」として反対しました。