2006年3月30日(木)「しんぶん赤旗」
「君が代」強制やめさせよ
石井議員 都教委事例示し追及
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各地の卒業式で今年も相次いだ「君が代」斉唱の強要――。日本共産党の石井郁子議員は二十九日の衆院文部科学委員会で、卒業生四人に起立斉唱するよう直接圧力をかけた東京都立定時制高校の事例をあげ、「思想・良心を侵す強制をやめさせよ」と迫りました。
石井氏がとりあげたのは、二月から三月初旬の卒業式までに三度にわたって起立を求められた卒業生・石川弘太郎さん(64)=会社経営=のケース。同校副校長は石川さんの自宅にまで電話し、「卒業式では歌わないのか」と迫りました。石川さんは「そこまでやるのかと戦慄(せんりつ)を覚えた」と話しています。
石井氏は、「国旗国歌法」制定時に政府は「強制するものではない」と言明したが、東京では、二〇〇三年に都教委が出した通達(10・23通達)に基づき、不起立などを理由に多数の教員が処分を受けたと指摘。今年三月十三日には、生徒の不起立を理由に「児童・生徒を指導することを教職員に徹底する」通達まで出したことを示し、「これが強制でなくて何なのか。国会での答弁にも反する。撤回させよ」と迫りました。
文部科学省の銭谷真美初等中等教育局長は「生徒・児童に対する指導は適切な配慮のもとで行われる。その立場に変わりはない」と答弁しました。