2006年3月29日(水)「しんぶん赤旗」
「空の安全」最優先に
小林議員 国交省に指導求める
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日本共産党の小林みえこ議員は二十八日の参院国土交通委員会で、トラブル続出で「空の安全」に不安が募る航空会社の問題をとりあげ、国の責任をただしました。
小林氏は、一九九三年から二〇〇三年の間に、当時の日本航空、全日空、日本エアシステムの大手三社がすすめた全従業員の19%にのぼる人員削減を挙げ、「トラブル続出と無関係ではない」と指摘。北側一雄国土交通相は「人員削減が輸送の安全に影響を与えるものであってはならない。必要な人員を確保することが重要だ」と答弁しました。
小林氏は、〇三年に国土交通省が出した「航空事業経営基盤強化総合対策プログラム」で、人件費削減、コスト削減計画の前倒しなど、いっそうの「コスト改革」を求めたことを指摘し、航空会社の安全軽視、利益優先の経営を国交省が後押ししていると批判。日航の運航乗務員が九三年十一月以降、会社側からの一方的な就業規則の改悪で、国際的にも過酷な乗務が強いられている実態を紹介し、国交省の指導監督責任をただしました。
北側国交相が「(就業規則は)労使間で決めてもらう問題だ」とのべたのに対し、小林氏は「そもそも長時間の運航乗務が強いられる背景には、九二年十二月の通達で、それまで八時間とされていた乗務時間が十二時間まで延長が認められたことがある」として、政府がすすめてきた航空分野での規制緩和政策を批判。適切な人員の確保など、安全が最優先される指導監督をおこなうべきだと求めました。