2006年3月28日(火)「しんぶん赤旗」
「米国の信頼失うから」
BSE報告書隠ぺいで農水相
参院予算委で紙議員が追及
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「米国で感染牛発生の可能性がある」とした農水省の牛海綿状脳症(BSE)技術検討会の議事録と米国BSE危険度評価報告書(二〇〇二年十一月)を隠したまま、二〇〇三年十二月まで危険部位つきの米国産牛肉を輸入していた問題(本紙五日付)で、中川昭一農水相は二十七日、参院予算委員会で「米国の合意なしに公にすることは、米国との信頼関係が失われると判断した」とのべました。
日本共産党の紙智子議員の質問に答えたもので、食の安全より米国優先の姿勢がうきぼりになりました。紙議員が「BSE発生の可能性を指摘されながら、危険部位の輸入を続け、隠したことをどう釈明するのか」と迫ると小泉首相は「中川大臣が答弁したとおり」と答えました。
紙議員は、農水省が国民に隠してきた評価報告書とBSE技術検討会の議事録のコピーを提示して、「欧州連合は一九九九年に米国からの危険部位輸入を禁止している」「米国から二〇〇三年に一番危険な脳が四十キログラム、背骨つき牛肉が七十トンも輸入され、国民が食べさせられた。なぜ評価書と議事録を隠していたのか」とただしました。
中川農水相は「米国との信頼関係が失われると判断した」と答え、隠ぺいした事実を否定できませんでした。
紙議員は「そんなことは(非公開の)理由にならない。この資料が公開されていれば、危険部位の輸入はもっと早くストップすることができた」とのべ、検討会の委員から公開すべきだという意見がでていたことにも触れ、政府の姿勢を批判しました。