2006年3月27日(月)「しんぶん赤旗」

「思いやり予算」

滑走路拡張や野球場

米軍施設に638億円


 政府・与党が参院での可決・成立を急ぐ二〇〇六年度予算案で、「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)の施設建設費の内訳(表)がわかりました。防衛施設庁が、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の求めに対し、明らかにしたものです。


赤嶺議員に示す

 「思いやり予算」は、地位協定上も日本政府が負担する義務のないもの。労務費、光熱水料、訓練移転費、施設建設費に分かれており、〇六年度予算案の総額は二千三百二十六億円です。このうち施設建設費は、六百三十八億円に達します。

 その三分の一以上が、在日米軍再編で米空母艦載機の移駐が狙われている米海兵隊岩国基地(山口県)での滑走路拡張工事(二百二十六億円)につぎ込まれています。

 このほか、米軍の作戦を支える施設では、駐機場(米空軍三沢基地=青森県)、管制塔(同横田基地=東京都)、電子機器の整備工場(米海軍横須賀基地=神奈川県)、揚陸艦隊に搭載するエアクッション型上陸用舟艇(LCAC)の整備基地(横瀬貯油所=長崎県)などを建設する経費を盛り込んでいます。

 米海兵隊普天間基地(沖縄県)では、「返還」するはずなのに、新たに整備用格納庫を改築するための設計費まで計上しています。

 また、野外運動場(岩国基地)や野球場(キャンプ・ハンセン=沖縄県)、小学校(池子住宅地区=神奈川県)、中学校(嘉手納基地=沖縄県)、高校(キャンプ座間=神奈川県)などの整備も計画されており、相変わらず、至れり尽くせりの内容になっています。

 現在、「最終報告」に向けて調整が続けられている在日米軍再編では、三兆円を超える経費を日本側が負担しようとしていると報じられており、「思いやり」は途方もなく膨張する危険があります。

表

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