2006年3月25日(土)「しんぶん赤旗」
派遣最大手クリスタルグループ経営指針
“違法も許される”
大門議員「厚労省は本社指導を」
従業員十三万五千人の派遣最大手・クリスタルグループの経営指針に「ナンバーワンになるには…違法行為は許される」という言葉が―。日本共産党の大門実紀史議員は二十四日の参院予算委員会で、違法行為を繰り返すクリスタルグループに対し、各地の労働基準監督署で摘発するだけでなく、厚生労働省が本社に対して指導するよう求めました。
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川崎二郎厚労相は「違法な事案が把握されれば、当該事業所および必要に応じ本社に厳正な指導」をすると答えました。
クリスタルグループは昨年七月、愛知県で派遣労働者にフォークリフトを無免許運転させて死亡させた事故の責任を問われ、グループ企業が業務停止命令という重い処分をうけています。
大門氏は、このほかにも、社会保険加入を希望した従業員を解雇したり、三割をこえる「ピンハネ」があることを指摘。実質的オーナー、林純一氏の経営指針をまとめたグループ社長会での言葉「人生観と経営姿勢」を示しました。この中には「大競争に勝ち残り業界ナンバーワンになるには、プロは規制緩和の違法行為が許される」などの項目が並んでおり、「グループぐるみの違法行為だ」と批判しました。
大門氏が「大企業の製造現場にはほとんどクリスタルグループが入り込んでいる。ゆゆしき事態だ」とただしたのに対し、二階俊博経済産業相は、労働基準法や労働者派遣法を守ることを「派遣先企業も留意することは当然」とのべました。さらに二階経産相は、熟練した非正規労働者の正社員への「採用、引き上げを考えたい」とのべ、経済界と率直に論議し、関係者の理解、協力を得たいと答弁しました。