2006年3月25日(土)「しんぶん赤旗」
病床は減、負担は増
紙議員 高齢者追い出しを批判
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二十四日の参院予算委員会集中審議で、日本共産党の紙智子議員は、小泉内閣の医療改悪法案が、高齢者の病院からの「追い出し」を進めるものだと批判しました。
改悪法案では、今年十月から七十歳以上の長期入院患者の食費、居住費の負担を増やし、二〇〇八年四月から七十―七十四歳の患者負担を現行の一割から二割に引き上げます。その結果、高齢者の長期入院患者の負担は、現行の月六万四千円から、十一万四千円に跳ね上がります。(グラフ参照)
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紙氏は、昨年十月に介護保険施設で食費、居住費が全額自己負担になった結果、高齢者の施設からの「追い出し」が起きている実態を示し、医療改悪による負担増は「介護保険の二の舞いになり、お金のない高齢者は病院にいられず、必要な医療が受けられないことにもなりかねない」と批判しました。
また改悪法案は療養病床を二〇一二年度までに二十三万床も削減しようとしています。
紙氏は「療養病床が受け入れている患者は、多くは回復していても病状の変化に対応した医療、看護が必要だ」と強調。病床削減は「病院を出ても行き先のない患者、高齢者が多数出ることになる」とただしました。
川崎二郎厚労相は「六年かけて施設を(有料老人ホームなどに)転換する」と答弁。紙氏は、有料老人ホームは、高額の入居金、月十万円以上の利用料など「低所得者は負担できない」とのべ、「所得の格差が命の格差につながることは絶対に許されない」と、改悪法案の撤回を求めました。