2006年3月23日(木)「しんぶん赤旗」
国保証
交付金で取り上げ促進
吉川議員批判 総務・厚労省が指針
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「保険証をたくさん取り上げた市町村には調整交付金を多く渡すのか」
日本共産党の吉川春子議員は二十二日の参院総務委員会で、国民保険料(税)の滞納者から保険証取り上げ(資格証明書の発行)を促す総務省・厚生労働省合作の「ガイドライン」の問題点をただしました。
問題となったのは昨年六月十七日決定の「都道府県調整交付金ガイドライン」です。都道府県調整交付金は「三位一体改革」の一環で、市町村国保に対する国の定率負担を引き下げるかわりに都道府県に対する税源移譲によって作られました。「ガイドライン」はその交付金の市町村への配分の「考え方を示したもの」(滝野欣彌自治財政局長)です。
ガイドラインでは配分基準の一つとして「収納率向上」の成績評価を掲げています。
吉川氏は「(都道府県では)高い点数を上げるためにどうすればいいかも示している」として、ガイドラインにもとづいて評価基準を定めた埼玉県の条例を示しました。差し押さえの実施は三十点、公売の実施三十点、資格証明書の発行十点、短期保険者証の発行十点などと点数化しています。
「これでは滞納者に対して資格証明書や短期被保険者証の交付を積極的にやらない市町村は交付金が減額されるのではないか」と吉川氏。
竹中平蔵総務相は「ガイドラインは参考資料として定めたもの」と都道府県を縛るものではないという考えを示す一方で、「資格証明書は保険料の収納を確保するための一つの手段」と国保証取り上げを合理化。吉川氏は「滞納が増えているのは保険料が高すぎるからだ。無慈悲な保険証取り上げをやめよ」と批判しました。