2006年3月20日(月)「しんぶん赤旗」
基地強化に反対
イラク開戦３年 各地で行動
岩国 市民は我慢しない
米艦載機部隊の移転に反対する「３・１９岩国集会」が十九日、山口県岩国市で開かれ、八百人が参加しました。集会後、基地までパレード。「移転撤回まで日米政府を追いつめよう」とアピールしました。
「艦載機移転反対に○をする会」を構成した労組や平和・民主団体が主催。投票を呼び掛ける宣伝に参加した学生（２３）は「私はほんのお手伝い。勇気ある岩国市民にお礼が言いたい」。主婦（７０）は「平和に暮らしたいという市民の本音が共有できた」と語りました。
「○をする会」の会長を務めた吉岡光則氏（山口県高教組委員長、岩国市在住）は「『なぜ何も言わないのか』。岩国市民は常にこう言われ続けてきた。しかし今回の住民投票で、市民は基地に我慢するだけでなかったことを示すことができた」と涙ぐんで発言しました。
川田忠明氏（日本平和委員会理事）が「世界が一地方都市の出来事に注目している。日米政府は冷静を装っているが、テレビで見る首脳たちの顔は引きつっている。彼らは飛び火を恐れている。その通りにしましょう」と激励しました。
山口県平和委員会の久米慶典代表理事は「岩国市民の判断が、米軍の無法な侵略にあえぐイラクの人たちへのプレゼントになれば幸いだ」と述べました。
座間 新司令部許さない
「イラク戦争反対、新司令部来るな！米軍基地強化反対３・１９座間集会」が十九日、神奈川県座間市の谷戸山公園で開かれ、三百五十人が集まりました。座間・相模原両市の労組、民主団体、平和団体でつくる実行委員会が主催。日本共産党から畑野君枝前参院議員、笠木隆県基地対策責任者、河野幸司県議団長、座間・相模原・海老名の各市議団が参加しました。
集会は在日米軍基地の再編強化をねらう日米政府の「最終報告」を前に、政府と地元自治体との緊迫した状況の中で開かれました。
十七日に防衛施設庁の幹部が松沢成文県知事、小川勇夫相模原市長、星野勝司座間市長にキャンプ座間への新司令部の設置、相模総合補給廠（しょう）の野積み場の一部返還などを説明。小川市長は「相模総合補給廠（しょう）は多少減るが、全体的に市民の願いと懸け離れている」と不満を表明。座間市長は地元無視に「新たな不信感を持つ」とのべました。
集会では新日本婦人の会座間支部の鴨居洋子さん、日本共産党の中澤邦雄座間市議団長、「座間・相模原周辺市民連絡会」の菅沼幹夫さんがあいさつ。「イラク戦争反対、新司令部くるな」とのアピールを採択した後、キャンプ座間に向けてピースウオークを行いました。
北海道 米戦闘機来るな
イラク戦争開戦から三年の十九日、札幌市では、北海道平和運動フォーラム、有事法制反対道民連絡会、ほっかいどうピースネットが共同して「ピースウオーク」を開催。約千人の市民や労働者、学生、女性たちが参加しました。参加者は思い思いのプラカードや横断幕、組合旗などを手に「アメリカはイラクから撤退せよ！」「平和憲法を守れ！」「米戦闘機Ｆ１５は千歳に来るな！」と、元気いっぱい市民にアピール。雪の残る大通公園や札幌駅前、狸小路商店街など、市の繁華街を一時間にわたって練り歩きました。
三団体での共同行動は、今年で三回目。「非暴力で行う」などの確認のもと、団体の垣根を超えて共同の取り組みを積み重ねてきました。
出発前の集会では、三団体の代表がそれぞれマイクをとり、「在日米軍再編で自衛隊が米軍と一体の役割をにない、世界の戦争にはせ参じることをゆるすわけにはいかない」「この三年間に兵士が二千五百人、民間人も十万人が犠牲になった。その一人ひとりがどんな人だったのか、どんな夢を持ち生きていたのか、考えながら一緒に歩きましょう」「各地で反対の大きな動きが始まっています。千歳でも米軍のＦ１５は来るなの声が上がっています」などと訴えました。
愛知 ４千人が春の集会
「憲法とくらしを守る春の大集会」が十九日、名古屋市内で開かれ、四千人が参加し「憲法と平和・くらしを守ろうの声を上げ、運動を大きく広げましょう」とアピールを確認しました。集会では主催者三団体の代表があいさつしました。
「憲法と平和を守る愛知の会」代表世話人の成瀬昇氏は「アメリカといっしょになって戦争をしようという憲法九条改悪のねらいはますますはっきりしている。米軍基地強化、憲法九条改悪反対の声をさらに広げよう」と強調しました。
「大増税に反対しくらしを守るネットワーク」代表の羽根克明氏は「働くものの収入が減り、格差が広がっている。さらに大増税が計画されている。財源はある。一人ひとりが声を上げて大増税計画をストップさせよう」と語りました。
「愛知県社会保障推進協議会」議長の徳田秋氏は「憲法九条と二五条は一体のもの。戦争をせずに、国民の生存権を真に守っていく国にするために奮闘しよう」と訴えました。
政党からは日本共産党、社民党、新社会党の各愛知県代表があいさつ。日本共産党愛知県委員会副委員長八田ひろ子前参院議員は「今多くの国民が、政治がおかしいと気がつき行動しようとしているとき。アメリカいいなり、財界いいなりの政治を変えようの声をさらに広げ多数者になろう」と語りました。
女性、高齢者、業者などが次々と立ってリレートーク。パレードに出発しました。
千葉 ３千６００人パレード
「生かそう憲法９条、庶民増税ＮＯ！ くらしと平和を守る３・１９県民集会」が十九日、千葉市内で開かれました。近年最高の約三千六百人が参加、くらしを守る政治に変えようと二コースでパレードしました。
雨もやみ日がさし始めた会場の千葉公園。集会は、松崎菊也、石倉直樹両氏による政治風刺のコントで幕開けし、公立保育園の民間委託計画に反対する「船橋・公立保育園だいすきネットワーク」が歌を披露しました。
松本悟千葉労連議長、藤野善夫自由法曹団千葉支部幹事長があいさつし、日本共産党の浅野ふみ子参院千葉選挙区候補が連帯の決意と国会情勢を報告。谷川智行同比例候補が紹介されました。
庶民増税・憲法改悪をねらう小泉政治に、高校生、中小業者、医者や公務員ら十人が発言。農民連の参加者は、「ほんとん、あんとかしてくったいよ（本当に何とかしてくれよ）」と、上総（かずさ）弁で価格暴落の自民党農政を告発。「負担続々の医療改悪をはね返そう」（医師）、「戦没者の遺言の九条を守り抜こう」（戦没者遺族）など、発言が続きました。
参加した運送業の男性（５９）＝市原市＝は、「単価の切り下げで、一台一時間の収入は以前の七割。軽油やガソリンも高い。まもなく年金生活だが、最低限暮らせる年金を保障しろといいたい」と話していました。
松江 市民のつどい開く
イラク開戦三年を機に、松江市の自衛隊のイラク派兵をやめさせる会は十八日午後、イラク反戦市民のつどいを松江市天満宮前で開きました。市民団体、労組、宗教者、共産党や社民党などから約七十人の市民が参加しました。
モカ＆和希の歌のあと、同会代表で松江カトリック教会の原田豊己神父があいさつ。「故郷・岩国市の住民投票結果を誇りに思う。自衛隊の一日も早い撤退とイラク占領の終結を要求しよう」と訴えました。
市民が次々に、憲法九条を守る草の根からの運動を強めようとよびかけました。イラクをイラク国民の手になどの集会アピールを採択し、松江駅前まで行進しました。
