2006年3月19日(日)「しんぶん赤旗」

残業させ放題など

財界要求で規制緩和

政府への要望・採用率 経団連が常に上位

米政府も2位2回


 「官から民へ」をスローガンに規制緩和と民間開放を進める政府の「規制改革・民間開放推進室」。同室が毎年各界から募集する「規制改革要望」で、提出件数のトップを毎年、日本経団連が占めていることが内閣府の内部文書でわかりました。要望が政府計画に盛り込まれた「実現率」でも、経団連が常に上位。オリックスなどの民間企業や業界団体も上位に並びます。社会の「弱肉強食」化を進める規制緩和が、経団連をはじめとする財界の意向にそって進む構図を裏付けています。


 推進室は毎年六月と十一月、規制改革の要望を募集します。国内外を問わず、法人、個人、誰でも提案できます。寄せられた要望から、政府の規制改革方針に合致したものを選び出し、各省庁との調整を経て「規制改革・民間開放3か年計画」に盛り込み、閣議決定されます。

 本紙が入手したのは、二〇〇三―〇五年度の「規制改革要望 主要要望主体別 本部決定項目数」と題したリスト(〇五年は六月募集分のみ、計五回分、表参照)。

 これによると、件数で経団連が五回とも一位。毎回、数十から三百件を要望しています。経団連ホームページによると、要望項目はホワイトカラー労働者の労働時間制限の適用除外や、営利法人による医療機関経営の解禁、混合診療の解禁などです。いずれも、労働者・国民を守るルールを壊し、財界・大企業のもうけ口を拡大するものです。

 〇四年六月の募集では、オリックスなどでつくる業界団体「リース事業協会」が経団連とともに一位でした。

 アメリカ政府も二回、二位に登場。そのほか、オリックスや全国信用金庫協会などが上位の「常連」です。

 「実現率」で見ると、経団連が五回中三回で一位(5・3%―16・4%)。オリックス、全国信用金庫協会・信金中央金庫が各一回、一位になっています。

 同室をめぐっては、職員の大半がオリックスなど大企業からの出向者であることがわかっています。

表

 規制改革・民間開放推進室 政府が進めてきた「規制緩和」路線をさらに推進するため、二〇〇四年に設置されました。小泉首相を本部長とし、閣僚らで構成する「規制改革・民間開放推進本部」と、宮内義彦・オリックス会長が議長を務める「規制改革・民間開放推進会議」の共通の事務局にあたります。要望の募集は、推進会議の前身「総合規制改革会議」で〇三年から始まりました。


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