2006年3月18日(土)「しんぶん赤旗」
最低輸入米が食管圧迫
在庫膨らみ赤字1374億円
紙議員指摘
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日本共産党の紙智子議員は十六日、参院農林水産委員会でコメのミニマムアクセス(最低輸入機会)について、「現在、在庫が百七十万トンにもなり、それにかかわる食管会計の累積赤字が千三百七十四億円にものぼる。国民の重い負担になっている」という実情を示し、ミニマムアクセスに対する対応の抜本的見直しを求めました。
国別では二〇〇四年にオーストラリア産米が不作のため十万トンから二万トンに輸入が落ち込んだにもかかわらず、ミニマムアクセス米の輸入総量は七十七万トンで変わっていません。
紙氏は「本来なら八万トン輸入が減っても問題ないのに、何としても総量を守ろうとしている」と追及。「ミニマムアクセス米の在庫は圧倒的に米国産が占めている。ところが、米国産米は毎年三十万トン以上輸入され全体の輸入量の約半分にのぼる」と、その異常ぶりを明らかにし、輸入量の削減を求めました。
中川昭一農水相は「(輸入量を)減らすことはきわめて厳しい」としつつ、「全力をあげてギリギリで自分の立場を守る交渉をしていきたい」と答えました。
紙氏は、香港で特定危険部位のついた米国産牛肉が見つかって輸入停止になった問題もとりあげ、政府に調査を求めました。
中川農水相は「香港とアメリカの輸出プログラムは日本とは違う」と、対応する考えのないことを明らかにしました。
ミニマムアクセス(最低輸入機会) WTO(世界貿易機関)農業協定で過去の輸入量が極端に少ない農産品について求めている最低輸入枠のことです。日本のコメがこれに該当します。輸入義務ではありませんが、日本政府は国内で減反しながらコメの輸入を年々拡大し、今では消費量の一割近い七十七万トンに達しています。