2006年3月18日(土)「しんぶん赤旗」
第4回世界水フォーラム開幕
水は貧困対策の前提
【メキシコ市=松島良尚】深刻化する世界の水問題について議論する第四回世界水フォーラムが十六日、メキシコ市で始まりました。約百三十カ国の三百の非政府組織(NGO)関係者ら一万人以上が参加し、二十二日まで行われます。
開会演説に立ったメキシコのフォックス大統領は、世界で十億人以上が水へのアクセスを持たない現状に触れ、貧困対策の大前提は清潔な水が利用可能かどうかにあると強調。水問題を解決している経験が各地にあることから、フォーラムの全体テーマを「世界的挑戦のための地域行動」としたと述べました。
フォーラムを主催する世界水会議のフォーション議長は記者会見で、民営化問題を問われ、民間企業に国家の資産を売っているわけでないと弁明しました。
フォーラムは全体テーマのほか、「成長と開発のための水」など五つの枠組みテーマを設定。さらにそれらのテーマに共通の課題を論議します。十七日からは約三百の分科会が行われます。閣僚級国際会議も開かれ、最終日に閣僚宣言が採択される予定です。
二〇〇四年末にスマトラ島沖地震による大津波が発生、〇五年夏にはハリケーン「カトリーナ」が米国南部に被害をもたらしたことを受け、災害に備えた危機管理も話し合われる予定です。
日本からは約三百人が参加します。