2006年3月16日(木)「しんぶん赤旗」
自民支援団体に加盟
施設庁談合 天下り目的の「技術協会」
防衛施設庁の官製談合事件で、同庁OBの理事長が逮捕・起訴され強制捜査をうけた防衛施設技術協会が、自民党支援団体に組織ごと加盟していたことが十五日までに明らかになりました。防衛施設庁が所管する公益法人である同協会の加盟は、公益法人の特定政党支援を禁止した閣議決定に違反する疑いもあり、自民党と官製談合がらみの団体との癒着した関係が浮かび上がってきました。
閣議決定違反の疑い
防衛施設技術協会が加盟しているのは、自民党安全保障関係団体協議会。加盟団体の一つである日本郷友連盟の内部資料などによると、同協議会は、防衛関係団体の「政策提言、要望などの聴取窓口」として一九九六年五月二十三日に発足。防衛施設技術協会はじめ十八団体が参加して、定期的に会合を開いていたといいます。
本紙の取材にたいして同協会の牟田寛総務部長は、同協議会に現在も加盟していることを認めました。牟田氏は、「自民党側の担当者にも確認したが、強制力をもたない友好団体として加盟している。最近は(会合などに)参加していない」と話しています。
加盟した経過については、当時の自民党有力国会議員が音頭をとって「防衛も重要だから参加させよう」と、防衛関係団体を結集させたといいます。自民党は九六年当時、各業界団体の要望を聴取する際、「条件として『自民党支援』を会則で定めた党組織『団体協議会』への加入を求め」(「毎日」九六年十二月三十一日付)ていたと指摘されています。
公益法人は、その設立許可と指導監督基準を定めた九六年の閣議決定で「積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とするものでなければならない」とされ、特定の政党や政治家に支援・献金活動をすることを禁じられています。
しかも防衛施設技術協会は、収入の九割近くを防衛施設庁から請け負う調査研究などの事業に依存。事実上、国民の税金で成り立っています。今回の談合事件で明らかになったように、天下りのための「トンネル機関」と指摘される団体です。
同協会側は、本紙の指摘にたいして「(安全保障関係団体協議会は)自民党側の説明では『強制力をもたない友好団体』なので、なんら公益法人としての制約をうけることはない。会員規則らしきものは、当初はあったようだが、今はまったくない」(牟田氏)としています。
防衛施設技術協会 「防衛施設の建設技術の調査研究」などを目的として一九九〇年に設立された防衛施設庁所管の公益法人。歴代理事長は、東京地検特捜部に談合罪で起訴された協会理事長の生沢守被告(57)=解任=をはじめ、同庁技官トップである技術審議官の経験者です。職員の大半も同庁建設部出身で、短期間協会に在籍し、二年間の天下り制限期間が過ぎたあとに、建設会社などに天下っています。