2006年3月16日(木)「しんぶん赤旗」
サラ金の暴利正せ
大銀行が超低利1%台融資→20数%で貸す
金融担当相も「CM不愉快」
大門議員が追及
参院予算委
サラ金会社が高金利で莫大(ばくだい)な利益をあげる一方、毎年二十数万人が自己破産に追い込まれてきました。日本共産党の大門実紀史議員は十五日、参院予算委員会で、法の“抜け道”を悪用し暴利をむさぼる仕組みを追及し、「グレーゾーン」(灰色金利)撤廃を求めました。与謝野馨金融担当相は、サラ金会社のテレビCMなどに「不愉快だ」と答えました。
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「グレーゾーン」とは、刑事罰の対象になる出資法の上限金利(年29・2%)と、罰則のない利息制限法の上限金利(借入金額により15―20%)の間の部分です。
利息制限法を上回る金利は本来、無効ですが、サラ金会社や大銀行は、借り手の自由な意思による返済なら認めるという貸金業規制法の特例を悪用。利息制限法を上回る高額の利子を取り立ててきました。
大門氏は、武富士、アコムなどサラ金大手が大銀行などから1%台の金利で調達した資金を20数%で貸し付け、莫大な利益をあげていると指摘(表)。一月には最高裁が「グレーゾーン」を事実上認めない判決を下したこともあげ、「出資法の上限を、利息制限法の上限に引き下げよ」と迫りました。
大門氏は、大手銀行がサラ金を傘下に入れて消費者金融に乗り出している実態を新聞広告を掲げながら示しました。
与謝野金融担当相は、「高い金利で貸す業者がテレビで堂々と広告を出していることは不愉快だ」「かつて超一流だと思っていた銀行がサラ金業者と一緒に広告を出していることは不愉快なことの一つだ」と答弁しました。
「グレーゾーン」撤廃が迫られるなか、サラ金業界は利息制限法の上限引き上げさえ主張しています。業界の政治団体・全国貸金業政治連盟(全政連)は、政界工作を強めています。
大門氏は、自民党内の「金融サービス制度を検討する会」や、超党派の議員連盟の中心メンバーが、各県の貸金業界団体の顧問になり、パーティー券まで買ってもらっている実態を告発。有利になるように質問しただけで受託収賄罪に問われるのに、立法すれば大変なことになるとして、「高金利の引き下げを求める国民の要望は強い。最高裁の判決にまっすぐにこたえるのが国会の仕事だ」と迫りました。
小泉純一郎首相は「高金利をむさぼっている業者に被害を受けないような対策を講じなければならない」と述べました。
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