2006年3月15日(水)「しんぶん赤旗」
「文化破壊」と抗議
中古家電問題での音楽家会見
「すべての中古音楽機器を制度の対象外にしてほしい」――。今年四月にPSEマークのついていない中古家電製品が売買できなくなる問題で、雅楽師の東儀秀樹さんら音楽家が十四日、東京都内で記者会見を行いました。音楽家の坂本龍一さんが「僕たちが毎日、使っている音楽機材が売買できなくなると大きな支障をきたす。文化破壊です」とニューヨークからメッセージを寄せました。
同日、経済産業省が、いわゆるビンテージものと呼ばれる希少価値の高い電子楽器等について、「簡単な手続きで売買ができるようにする」と発表したことに合わせて行われたもの。
音楽家らは、記者会見に「PSE未対応」と書かれた名札をつけて登場。井上陽水さんや中島みゆきさんなどのプロデュース活動を行ってきた、音楽家の椎名和夫さんは経産省の発表に対して「詳細が分からないので、なんとも言えない。求めているのは、すべての中古音楽機器を制度の対象外にすること」と話しました。
坂本さんはメッセージの中で中古楽器について「古い機材ほど固有の価値のある音をもっている。技術が進歩しても、作り出すことはできない」。音楽グループ・カシオペアの向谷実さんも、制度施行を「いったんやめていただく、リセットしていただくことが一番」とメッセージを寄せました。
椎名さんらは、十五日、約七万五千人分の署名を経産省へ提出し、要望を伝える予定です。