2006年3月15日(水)「しんぶん赤旗」
保育所民間移管が急増
補助削減 参考人が公的保障要求
高橋議員が質問
児童手当法等「改正」案の参考人質疑が十四日、衆院厚生労働委員会で行われました。このなかで、増田百代・兵庫県保育所運動連絡会副会長は「三位一体改革、とりわけ国の補助金削減によって、公立保育所の民間移管が急激に進んでいる」と述べ、「国と自治体による公的保育保障の充実」を求めました。
日本共産党の高橋千鶴子議員は「民間委託がすすむ原因は何か」と質問。増田氏は「公立と民間では保育士の人件費格差が四百万円ある」と指摘し、「民間では二十年働いても給与は二十万円しかない。しかも一年ごとの雇用が通常になっている。(民間の引き上げによる)公私間格差是正が早急に必要だ」と訴えました。
高橋議員は「厚労省のすすめる(保育の)規制緩和は保育所の必要機能を弱めるものだ」と批判しました。
質疑では少子化対策についての質問が多く出され、国立社会保障・人口問題研究所の京極高宣所長は「少子化のペースの遅い国は国の子育て支援が手厚く、超少子化国はそれが不十分だといえる」と答えました。恵泉女学園大学の大日向雅美教授は「(現金給付だけでなく)自分の人生で失うものが大きいという機会損失を軽減することが大事だ」と指摘しました。