2006年3月14日(火)「しんぶん赤旗」
米軍 無差別に民間人拘束
イラクでの違法行為
元英軍兵士が告発
【ロンドン=岡崎衆史】イラクで米兵とともに掃討作戦に当たった英軍エリート部隊の兵士が英紙サンデー・テレグラフ十二日付で、罪のないイラク民間人の拘束など米軍の違法行為を告発しました。
米軍の「対テロリスト掃討作戦」が実際にはイラク民間人の無差別な拘束であることを現場から指摘するものです。
告発したのは英陸軍特殊空挺(くうてい)部隊兵士として、イラクで昨年三月までの三カ月間任務に就いたベン・グリフィン氏(28)。同氏は、その後、イラク戦争は道徳的に誤っていると訴えてイラクでの任務を拒否し、昨年六月、軍を離脱しました。
グリフィン氏は、「バグダッドで多くの違法でまったく誤った行為を目撃した」と述べ、米軍と共同作戦を行った際、高齢の農民など武装勢力の一員ではないことが明らかなイラク人を米兵が拘束していたことを挙げ、「米国人は全員拘束策をとっていた」と批判。さらに米軍が、こうした無実の拘束者を、拷問される可能性があるのを知りながらイラク当局やアブグレイブ収容所に引き渡していたことを明らかにしました。
グリフィン氏はまた、「米国人は銃をやたら撃ちたがるとの評判通りだった」とも述べ、米兵によるイラク民間人殺害が日常的に行われていたことも示唆しました。
同氏は、こうした違法行為が行われる背景について、「米国人にとってイラク人は劣等人種だった」と述べ、米兵のほとんどがイラク人を劣った人間として扱っていたことを指摘しました。
グリフィン氏は、さらに、「イラク戦争は道徳的に誤った侵略戦争であり、さらに大事なことに、中東地域を不安定にしている」と強調しました。