2006年3月14日(火)「しんぶん赤旗」
憲法守ろう
有権者過半数
自治体 初めて
土佐清水九条の会の署名
憲法改悪反対・九条守れの署名を昨年三月から市民に訴えてきた、高知県土佐清水市のとさしみず九条の会(弘田浩三筆頭代表)は十二日、有権者の過半数七千五百八十六人を突破しました。自治体レベルの達成は、全国で初めてです。
同会では、十日から十二日までの三日間を統一行動日と設定。残り十九人となった十二日に、四十二人の署名を集め、目標を超えました。
同会はこの一年間、集落ごとに体制をとり、集約日も決めて署名に取り組んできました。今年一月、三回目の集約で、残り千八百十八人に迫っていることが分かりました。どうしても結成一周年の日までには達成しようと、未署名者の多い集落には、統一行動などをもうけ、取り組んできました。このなかで、二月中旬には、同市内の地域組織(三崎九条の会)が有権者過半数を突破し、弾みもつきました。
同会で独自に作成した署名用紙は、五人連記で、憲法第九条の条文も書いています。戦争のひどさを知っている高齢者や年配の人はたいてい応じてくれますが、若い人からは「わからない」との声も出て、粘り強い対話活動を重ねました。
署名集めに協力してくれたのは、漁船の乗組員、水産加工業者、銀行員、郵便局員、ゲートボールの会長や仲間、教員、元教員、元校長、教え子など百五十人を超えます。
代表の一人、元校長の上杉利則さんは「これほど多くの人が参加した運動は初めてだった。苦労も多かったが、達成してよかった。国会の多数が改憲を強行しようとしても、国民は反対だと、署名運動をやってみて実感した」といいます。
筆頭代表の弘田氏は「憲法を守れ、九条守れは大切だというムードを全市民のものにしようと取り組んだのが有権者過半数の署名です。改憲阻止の意識を高めてもらうためにさらにがんばりたい。国民投票になっても反対という人を多数にする決意です」と話しています。
とさしみず九条の会 市の有権者数一万五千百七十一人。呼びかけ人九十四人で昨年三月二十一日に結成。県内では十一番目。市内約七十地区あるなか、四十地区に地区連絡員を配置、憲法改悪反対署名で有権者過半数署名に取り組む。代表に矢野川俊喜元市長など九人。事務局長に元幡多教組組合長など、保守から旧社会党支持者まで、多数の人たちが参加。