2006年3月12日(日)「しんぶん赤旗」
仏45大学でスト
新雇用政策を批判
パリ大学に機動隊突入
【パリ=浅田信幸】フランスの名門ソルボンヌ大学(パリ大学)に十一日未明、機動隊が突入し、占拠していた学生数百人が強制排除されました。大学には、若者の解雇を容易にする新雇用政策である「初採用契約」(CPE)の撤回を求めて約四百人の学生が立てこもり、抗議行動を続けていました。
CPEの問題では七日に労組と学生が共同して百万人(主催者発表)の反対行動が行われたばかりですが、政府・与党は九日、同措置を盛り込んだ法案を上院で採択・成立させました。
同措置に反対する労組や学生らは、あくまで「撤回」を要求し、あらためて三月十六日に学生・高校生の行動、十八日には労組と学生の共同行動を決定。学生の間では政府の強硬姿勢に対する反発が広がり、仏全国学生連合(UNEF)の発表によると全国八十四大学のうち四十五大学で学生ストが実行されています。
CPEについて、主要労組のすべてが「雇用の不安定化を拡大する」と反対を表明。学生や高校生の組織も「青年を使い捨て労働者にするもの」と反発しており、今回の事態は政府との対立をいっそう先鋭化させる恐れがあります。
「初採用契約」(CPE) 今年一月、ドビルパン仏首相が導入を決定。二十六歳以下の若者の採用を企業に促すために企業の社会保険負担分を三年間免除する一方、通常二―三カ月の「見習い期間」を二年間とし、この間の解雇を自由とするものです。昨年夏に開始した新採用契約(CNE)は従業員二十人以下の企業を対象にしていましたが、全企業対象に変えました。