2006年3月11日(土)「しんぶん赤旗」
イラク戦費拡大に批判
米上院委 「当初から戦略誤り」
【ワシントン=山崎伸治】米上院歳出委員会は九日、ブッシュ政権が提案するイラク戦費など総額九百十億ドル(約十兆六千億円)に上る二〇〇六会計年度追加予算について公聴会を開き、ライス国務長官、ラムズフェルド国防長官らが証言しました。
追加予算のうち、イラクとアフガニスタンの戦費は六百五十三億ドル。その内訳は米軍の作戦行動に三百四十七億ドル、イラク、アフガンの治安部隊訓練に五十九億ドル、米軍部隊の防護に十九億ドル、装備の修理・交換に百四億ドルなどとなっています。ラムズフェルド氏は、追加予算とした理由について「本予算可決には八から十二カ月かかり、さらに執行に十二カ月かかる」ためと説明。
質疑では、宗派間の衝突が頻発するイラクの現状について、アビザイド中央軍司令官が「これまでよりも宗派間の緊張が高まっていることは疑いなく、われわれにとっても大きな懸念だ」と述べました。
また「内戦に対応する計画はあるのか」との民主党バード議員の質問に、ラムズフェルド氏は「計画は内戦を防止するものであり、内戦が起きてしまったら、イラク治安部隊に対処させる」と答弁しました。民主党のコール議員は「当初から、政府のイラク戦略は誤った指示と誤った方策の融合だった」と批判し、「米軍削減のタイムテーブルを検討する」よう求めました。しかし、ラムズフェルド氏はこの要求を拒否しました。