2006年3月10日(金)「しんぶん赤旗」
ビラの役割を証言
東京・葛飾弾圧事件 弁護側立証始まる
東京・葛飾区のマンションで日本共産党の区議団だよりなどのビラを配った荒川庸生さん(58)が、住居侵入罪で不当に起訴されている弾圧事件の第九回公判が九日、東京地裁(大島隆明裁判長)であり、無罪を求める弁護側の立証がはじまりました。逮捕当時に日本共産党都議団長だった木村陽治氏と同葛飾区議団長だった高橋信夫氏が、荒川さんが配布した党都議団の「都議会報告」、「区議団だより」と区民アンケートの意義を証言しました。
木村氏は都議会報告について、「都民に選ばれた都議は、議員活動を都民に知らせる責務がある。ビラは都政と都民をつなぐパイプであり、都政・都議会の問題点、議論を都民に知ってもらうにはビラの発行はどうしても必要」と証言しました。
高橋氏も区議団だよりの役割について、「議員は仕事を報告する義務・責任があり、区民も議員が住民の立場で働いているか、声を反映しているか、行政をチェックしているか、活動をチェックすることができる」と証言。区民アンケートには七百通を超える回答があり、「ビラとアンケートは議員と地域住民を結び、住民の声を議会に届けるホットライン。民主主義の学校といわれる地方自治の血流の役割を持っている。それが弾圧されることに怒りを持っている」とのべました。
公判には、荒川さんの逮捕の際に弁解録取書を作成した亀有署刑事・組織犯罪対策課の北山新一警部補・係長(当時)も証人として出廷。荒川さんが長時間の事情聴取をされた後、帰宅を申し出てはじめて「逮捕されている」と告げられたと証言していることに反して、「逮捕は(弁解聴取前に)告げた」とし、「(聴取中、荒川さんが)ビラや封筒を持っていたが、とりあげずに聴取を続けていた」などと不自然な証言をしました。