2006年3月9日(木)「しんぶん赤旗」
労組・青年 一緒に行進
不安定雇用反対 フランス100万人行動
【パリ=浅田信幸】青年の雇用不安定化につながる政府提案の「初採用契約(CPE)」に反対するフランスでの七日の百万人行動は、労働総同盟(CGT)ら八労組、仏全国学生連合(UNEF)、高校生連合(UNL)などが「CPE撤回」を統一スローガンに共同で呼びかけたもの。社会党や共産党など左翼諸党や学校父母会の全国連盟もこれに合流することを決め、約二十の大学で学生ストが実行されました。
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労組、青年学生組織、左翼諸党らの指導者がそろってデモに参加したパリでは、大学生、高校生を先頭に、ホイッスルや太鼓、トランペットでにぎやかに行進。デモ開始後に降りだした小雨のもと、「みんなで一緒に、CPE撤回を」などのシュプレヒコールを繰り返しました。
ティボーCGT書記長は「この行動を見て、首相がCPEへの態度を見直してくれることを期待したい。労組も学生たちも“解雇の自由”には反対で一致している。われわれはこのたたかいを緩めない」と語りました。
またジュリヤール仏全学連委員長は「きょうは運動を広げる出発点になった。明日からの運動でこの力比べに勝つのは誰かを示すことになる」と発言。全国の学生に直ちに無期限ストに立ち上がるよう呼びかけました。
CPEは、二十六歳以下の青年を対象に、採用から二年間を見習い期間とし、この間、経営者側による理由を提示しない自由な解雇を認める雇用契約。労組はこれが労働者の権利をはく奪するもので、労働法改悪と不安定雇用拡大の突破口になると、いち早く反対を表明。学生たちは「青年を使い捨て労働者にするものだ」と反発しています。
政府はCPEを盛り込んだ機会均等法案の国会審議を急ぎ、上院での早期採択・成立をはかっていますが、労組や学生・高校生組織はあくまで「撤回」を要求して長期戦の構え。先週末に学校の冬季バカンスが終了したばかりで、たたかいはこれからが本番だと位置づけています。