2006年3月6日(月)「しんぶん赤旗」

「基地はアメリカへ」

沖縄県民総決起大会


 「新しい基地はどこにもいらない」「米軍基地はアメリカへ」―。五日、沖縄県宜野湾市で開かれた県民総決起大会。澄みわたった空に、つめかけた三万五千人の沖縄県民の叫びが響き渡りました。


 大会は二部構成。一部は沖縄を中心に活動するミュージシャンによるピースステージ。三線による沖縄民謡あり、ロックあり、レゲエありと多彩な音楽で会場を盛り上げました。

 「沖縄をかえせ」の新バージョンやオリジナル曲「裸になって光の中へ」を披露したプロミュージシャンの真喜志(まきし)亮さん(34)。「人間には創造力があるんですよ。基地をなくしたら、どんなにすばらしいか。歌によって基地なくせのムードをどんどん高めていきたい」

 トリニティークラブバンドといっしょに「いのり」を歌い上げたAKINA(あきな)さん(24)は、「音楽をやってきてよかったと思います。私の歌で役にたてば…。みんな手をつないで立ちあがることができれば、世の中は変えられるという思いを歌詞にも込めました。人の心に灯をともす起爆剤になればうれしい」とニッコリ笑いました。

 「若い人が多いことに励まされる」というのは那覇市からきた男性(65)。「基地はない方がいいっていうのはみんな同じだなぁ」と感嘆の声をあげ、手をたたいて声援を送っていました。

不安な生活 がまん限界

 総決起大会の第二部では、地元代表らが手づくりの横断幕やのぼりを使ってアピール。

 名護市から参加した女性(44)=名護市瀬嵩=。三人の子どもを育てるお母さんです。「沿岸案だけでなく、すべての基地建設に反対します」との訴えに会場は聞き入ります。「誰もがいらないといっている米軍基地は、大きな粗大ゴミ。こんなゴミはアメリカへ持ちかえってもらいたい」と壇上から訴えると大きな拍手がわき起こりました。

 名護市の大浦湾で漁業を営む漁師も壇上から訴えました。名護漁協汀間支部の勢頭(せど)弘敏支部長は、「沿岸案には、もう黙ってはいられない。サンゴや藻場を破壊したらどうなるか。ウミンチュウ(漁師)ならみんな知っている。この豊かな海をつぶす沿岸案には、絶対反対だ」というと、会場からは「そうだ」「がんばろう」との声援があがります。

 村あげて沿岸案に反対する「基地対策協議会」を発足させた宜野座村松田区からは多くの区民がプラカードなどをもって参加しました。その一人の男性(62)は、「沿岸案では滑走路の真下に私たちが暮らしているんですよ。安心して生活できないでしょう。いまも騒音がすごい米軍のヘリコプターが来ている。うんざりして黙っていたけど、もうがまんできないと思ったんですよ」。「それとね」と指さすのが「子や孫にも悔いを残す 基地建設絶対反対」と書かれた横断幕です。「お金の問題じゃない。基地ができれば子や孫に申し訳ないでしょ」

 “世界一危険”といわれる普天間基地がある地元宜野湾市からも多くの市民が参加しました。

 フェンス一枚を挟んで普天間基地と隣接しているという男性(68)=宜野湾市新城=は、「基地は百害あって一利なし。こんな基地、沖縄のどこにもあっちゃいけない」と一言。隣に座っていた妻は、「うちの窓からは、飛び立つ米軍パイロットの姿まで見えるんですよ。墜落したら逃げる場所もない。もういいかげんにしてほしい」と言葉を継ぎます。

 宜野湾市でも騒音被害のひどい野嵩から参加した女性は、「上空をヘリが飛ぶと、電話の音も会話も聞こえない。人生の半分以上、こんな生活を強いられている人もいるんです。この沖縄の“痛み”を政府は真剣に考えてほしい」と話していました。


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