2006年3月6日(月)「しんぶん赤旗」
沖縄の声聞け3万5000人
米軍新基地反対 島ぐるみ
県民総決起大会
「沿岸案に反対し、平和を願う沖縄県民の声を日本政府は聞け!」―。米軍キャンプ・シュワブ沿岸域(沖縄県名護市)への新基地建設に反対する「普天間基地の頭越し・沿岸案に反対する沖縄県民総決起大会」(主催・同実行委員会)が五日午後、沖縄・宜野湾市内で開かれました。
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初夏を思わせる青空が広がるなか、会場の宜野湾海浜公園には「基地は沖縄のどこにもつくらせない」などと書かれた手づくりの横断幕やのぼりがいっぱい。子どもの手を引いた若い夫婦や友人と参加した大学生、編みがさをかぶったお年寄り。世代を超えて約三万五千人が駆けつけました。
開会あいさつで実行委員会の山内徳信共同代表(元県出納長)は「この大会をもって沖縄のマグマが大きく動きだしたことを日本政府は知るべきだ」と力を込めました。
かつて保守県政の副知事をつとめた比嘉幹郎共同代表は主催者を代表し「沿岸案反対は県民総意だ。この総意を国の政策に反映させるために、われわれは行動を起こした。沿岸案に反対するために県民が大同団結すべきだ」とあいさつすると、会場から共感の拍手がわき起こりました。
沖縄県出身の野党国会議員五氏があいさつ。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は「沿岸案は住民にとって最悪の案だ。断固として拒否しよう」と訴えました。
会場には伊波洋一宜野湾市長をはじめ、東肇宜野座村長、島袋義久大宜味村長、野国昌春北谷町長、新垣邦男北中城村長ら保守・革新の立場を超えた各首長が姿を見せ、伊波市長が壇上で訴えました(別項)。
三人のめいを連れた女性(42)=宜野湾市=は「たとえ宜野湾市から基地がなくなったとしても、他の地域で私たちと同じ思いは決してさせたくない」と話しました。
海外移転求める
伊波宜野湾市長の発言
市町村長の一人として、普天間基地を抱え、基地の危険性と飛行訓練の爆音被害に苦しめられている宜野湾市民を代表してあいさつします。
住宅地域にフェンス一つで囲まれた普天間飛行場では、早朝から深夜まで、毎日、住宅地上空での旋回飛行訓練が続けられています。(普天間基地の)全面返還が日米合意された一九九六年に比べ、二〇〇三年には年間一万回も飛行回数が増えています。
沖縄県民の基地負担を軽減するはずのSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意から十年の間に、より大きな負担が県民に押し付けられているのです。
一昨年八月、CH53D大型輸送ヘリが沖縄国際大学の本館に墜落・炎上する大惨事が起きました。このような事故を二度と起こしてはなりません。ですから普天間基地上空の飛行を直ちに中止させなければなりません。
普天間基地の名護・辺野古移設ではなく、米国本土を含む海外への移転により、私たちの危険を除去するよう求めます。この思いを日米両政府に伝え、普天間基地の一日も早い閉鎖・返還を実現してまいりたい。一緒にがんばりましょう。