2006年3月5日(日)「しんぶん赤旗」

サラ金・高金利引き下げ求め集会

“今年こそ実現しよう”

全国から570人参加


 サラ金被害をなくすために高金利の引き下げを――。多重債務者二百万人の大きな原因はサラ金の超高金利にあると、クレジット・サラ金被害問題にとりくむ弁護士や司法書士、被害者、労組・市民団体などが四日、「高金利引き下げをめざす全国集会」(主催・高金利引き下げ全国連絡会)を東京都内で開き、出資法上限金利(年29・2%)の引き下げを実現しようと交流しました。五百七十人以上が参加し、集会後にはデモ行進をしました。

 出資法上限金利をめぐっては、最高裁がことし一月に利息制限法(年15―20%)を超える金利の徴収を貸金業者に事実上認めない判決を出しました。今年中の上限金利見直し、制度改定が国会で予定され、金融庁では最高裁判決を踏まえた貸金業制度の見直しが懇談会で議論されています。

実態の訴え大事

 集会で全国連絡会代表幹事の宇都宮健児弁護士は「最高裁は立法府に明確なメッセージを発した。しかし、サラ金業界は金利引き上げを求め、政治団体をつくって政治家への働きかけを強めている。米国資本のサラ金の意向を受け、アメリカも金利の規制緩和を日本政府に要望している。今年は決戦の年」と情勢報告。「自己破産は二十万件に近く、経済苦による自殺は八千人にのぼっている。国民生活、中小企業の事業を守るために金利引き下げが必要だ。高金利被害、多重債務の実態を訴えていくことが大事だ」と強調しました。

公的貸付制度を

 シンポジウムでは、消費生活相談員の関口多恵子さんが、返済のための借り入れで家族全員が多重債務者になったなどの相談事例を紹介し、「(経済的に)つまずいたとき、高利貸しではなく、公的貸付制度を」と話しました。

 聖学院大学政治経済学部の柴田武男教授は「サラ金の借金は生活を切り詰めて返済するしかない。(金利がどうあるべきかの)基準は、業界の利益でも、無計画に借りる人のための便宜でもなく、(借りた人が)健全な生活を営めるかどうかだ」と指摘しました。

 集会であいさつした日弁連消費者問題対策委員会の山口廣委員長は、日弁連に金利引き下げ対策本部を設置することが決まったことを紹介。「日弁連をあげてこの問題にとりくむ」と表明しました。

 集会では日本共産党の大門実紀史参院議員、民主党、社民党の議員があいさつ。評論家の佐高信氏が講演しました。


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