2006年3月2日(木)「しんぶん赤旗」
大型店進出 市長が拒否
長崎・佐世保 市民生活への影響懸念
九州イオン(本社福岡市)が長崎県佐世保市に大型店舗出店(ジャスコ)を計画し、予定地の商用地転用を申請していた問題で、同市の光武顕市長は一日、定例市議会冒頭に行政報告を行い、「『佐世保農業振興地域整備計画』の変更の必要はない」とのべ、正式に大型店舗出店を認めない態度を表明しました。
同市長は、農用地の転用はしないとの決定に至った経緯・理由について、「(周辺は)農地が広がり水稲作をはじめ有効利用されている状況で、計画の変更要因は生じていない」「相当の交通混雑の発生が予想され、火災など緊急車両の出動への影響が考えられ、市民の生命・財産を守るのに懸念を抱く」と説明。市民から四千二十件の意見が寄せられ貴重な財産になったと紹介しました。
九州イオンの進出計画は、同市相浦地区の優良農地約二十四万平方メートルに九州最大規模の超大型店舗出店を計画したもの。地元の環境団体などは「大型店舗の進出を考える市民の会」として宣伝や署名活動をすすめました。
「渡り鳥の飛来地や里山の自然を守りたい」と進出反対の署名を懸命に集めた「市民の会」の金子美貴子さん(49)は、「みんなの力が集まればすごいと思いました。もとのままになりよかった」と話していました。
日本共産党の地域支部も「市民の会」で運動に参加、議会でも山下千秋市議が「中心市街地を空洞化させ、商業者に致命的打撃を与え、自然を破壊する」と反対の論陣をはりました。