2006年2月28日(火)「しんぶん赤旗」
06年度予算案
このまま通していいか 下
規制緩和万能論の失敗
耐震強度偽装事件では、建築確認を「官から民へ」と民間検査機関に「丸なげ」して、行政に構造設計を検証する体制すらないことが浮き彫りになりました。
穀田恵二議員は二十一日の衆院予算委員会で「そもそも(構造計算書を)再計算しようにも構造設計に使用する構造計算ソフトを持っていたのか」と迫りました。国土交通省の山本繁太郎住宅局長は「国交省は持っていない。(地方自治体も)持っていなければならないものではない」と答弁。委員室がどよめきました。
ライブドア事件の背景にある個人投資をよびこむための規制緩和問題について大門実紀史議員が三日の参院財政金融委員会で質問。株価をつりあげる手段の一つとなった大幅な株式分割について与謝野馨金融担当相は新たな規制を検討していく考えを示し、株式分割で株価をあげることは「邪道」と答えました。
日本共産党の組み替え案
(二十日発表) 国民の安全と財産をないがしろにする規制緩和万能路線を見直す
食の安全を米国任せに
米国産牛輸入再開から一カ月余、国会開会当日の一月二十日に、日米の取り決めに違反した特定危険部位を含む牛肉が発見されました。輸入再開直後の特別な検疫体制でようやくみつけることができたものです。危険部位除去や二十カ月齢以下という条件を米側に守らせる保証もなく、米国いいなりに輸入再開を急いだ対応が問われました。
日本共産党の高橋千鶴子議員は十五日の衆院予算委員会で、米国で査察した厚労省担当者が「脊柱(せきちゅう)を除去しているところは今回見られなかった」と説明する食品安全委員会プリオン専門調査会の議事録を取り上げ、川崎二郎厚労相も日本向けの処理状況を見ていなかったことを認めました。
高橋議員は、食の安全確保を米国任せにし、たとえ米国でBSE(牛海綿状脳症)感染牛が出ても輸入停止しないとまで申し合わせる日本の卑屈な姿勢を批判しました。
日本共産党の組み替え案
アメリカに日本と同等のBSE対策を。検査体制、検疫体制の強化
米領土基地に税金投入
米軍再編による基地強化にたいし、全国各地で関係自治体の反発が広がっています。
しかし予算案の軍事費は五兆円近くにのぼり、なかには米軍再編にかかわる経費が盛り込まれています。本来日本に負担義務のない米軍のための「思いやり」予算は二千三百二十六億円です。日本共産党の笠井亮議員は米国防総省の報告(〇四年版)を示し、「日本の米軍駐留経費負担額は、米国の他の同盟国すべて(二十六カ国)を合わせた分よりも多い」ことを明らかにしました。
さらに政府は、沖縄の米海兵隊のグアム移転経費負担まで検討しています。二十日の衆院予算委員会ではその異常ぶりが鮮明になりました。
笠井議員は、米領土の米軍基地の増強に日本国民の税金を投入するということがあったか、米軍が海外から本国に移転する経費を受け入れ国が負担したことがあったかと質問。外務省は「ない」と答弁。世界でも類例のないことが明らかになりました。
日本共産党の組み替え案
米軍基地再編・強化のための国民負担増を撤回し、大幅な軍縮を