2006年2月28日(火)「しんぶん赤旗」
自民政治の3つの異常ただす改革は切実
志位委員長が講演 横浜
日本共産党神奈川県委員会と県後援会は二十七日夜、横浜市の神奈川県民ホールで、志位和夫委員長を迎えて「世界の流れと日本の進路―日本共産党を語る集い」を開き、会場いっぱいの約二千三百人が集まりました。志位氏は、世界の大きな流れとのかかわりで、自民党政治の三つの異常とゆきづまりの現状、その異常をただす日本共産党の日本改革の方針についてわかりやすく講演しました。
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志位委員長は、自民党政治の「三つの異常」――(1)過去の侵略戦争を正当化する異常(2)アメリカいいなり政治の異常(3)極端な大企業中心主義の異常のそれぞれについて、国民の立場で打開していく日本共産党の立場を縦横に語りました。
立場の違い超え靖国問題解決を
「侵略戦争を正当化する異常」で志位氏は、靖国問題にとりくむ日本共産党の立場について「緊急課題として、立場の違いを超えた国民的世論と良識で解決を」と呼びかけました。とりわけ、戦後世界秩序への挑戦という問題の性格から、保守政治家や日米同盟派の元外交官からも批判が広がる情勢の変化を紹介し、「この問題では、他の問題で立場の違う人々とも対話を広げ協力したい。侵略戦争反対を貫いた党として、解決に力をつくす」とのべました。
米軍再編と改憲反対運動先頭に
「アメリカいいなり政治の異常」では、志位氏は、「二つの熱い焦点」として、米軍再編と憲法改定の問題を告発し、「日本共産党は平和を守るために二重の責任をはたす」と強調しました。
一つは「基地強化反対、憲法改悪反対のたたかいの発展に力をつくす」ことです。基地問題で志位氏は「自治体ぐるみのたたかいが何よりも大切。保守も含めた共同の条件と可能性が生まれている」と指摘。憲法問題では「改悪反対の一点での広大な国民的多数派を」とのべ、運動の先頭に立つ決意をのべました。
二つめは「日米安保条約を解消し、独立・平和の日本をつくる。そのための国民的合意をつくる」ことです。志位氏は、安保条約の解消で開ける展望を語り、大きな拍手に包まれました。
小泉「構造改革」3つの害悪告発
「大企業中心主義の異常」では、志位氏は、小泉「構造改革」「新自由主義」の「三つの害悪」――(1)規制緩和万能論(2)逆立ち税財政(3)経済分野での米国からの内政干渉を告発しました。
その上で「日本共産党は、暮らしを守るために、ここでも二重の責任を果たす」とのべ、(1)小泉「改革」の国民を分断させる攻撃には社会的連帯で反撃する(2)「三つの害悪」を大本からただす経済民主主義の改革を対置し、その実現をめざすと表明。アメリカ主導の「新自由主義」路線が各地で大破たんをとげつつある世界情勢も解明しながら、日本改革がもつ世界的意義を浮き彫りにしました。
新しい政治への2つの役割
志位氏は最後に、「新しい政治への道をきりひらくために、日本共産党は二つの役割をしっかり果たします」とのべました。
一つは、間違った政治と正面からたたかい、要求にもとづく国民的多数派をつくりながら、政治をかえる力にしていく「たしかな野党としての役割」です。
志位氏は、民主党の「メール問題」をとりあげ、前原誠司代表自身が「メールが百パーセント本物であるということにいたっていない。そういう材料で質問したことはおわびしなければならない」といわざるをえなくなったことについて、「野党としての政治的信頼性が根本から問われている」と指摘。日本共産党は、どんな問題でも確証をもって提起してきたことを紹介し、「これが野党がとるべき当たり前の姿です。ここでも『たしかな野党』の役割をしっかりと果たしていきたい」とのべました。
もう一つの役割は、自民党政治を大本からかえる日本改革の方針――党綱領を大いに語り、国民多数の合意をかちとることです。志位氏は、「日本共産党綱領と大会決議が指し示す日本改革の大きな展望を国民と語り合い、多数派を結集するために力を注ぎたい」と強調し、大きな拍手に包まれました。
講演を聞いた会社員の若い女性=横浜市在住=は「医療改悪などの話を聞いて本当に庶民には不公平な社会だと思う。志位さんが話してくれた展望は、心強いと思いました」と話しました。
集いでは、横浜市長選挙(三月十二日告示、二十六日投票)に出馬する松川康夫候補(64)=無所属新、日本共産党推薦=があいさつしました。