2006年2月28日(火)「しんぶん赤旗」
岩国基地強化「修行の妨げ」
弥山の僧侶ら爆音被害訴え
広島県西部住民の会調査
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米軍岩国基地(山口県)への米空母艦載機部隊の移転に反対する「広島県西部住民の会」は二十六日、廿日市市宮島町の世界遺産で日本三景の厳島を見渡す弥山(みせん、五三五メートル)に登り、直線距離で約十五キロの岩国基地との位置関係を確かめ、真言宗大聖院の吉田正裕座主(45)らから騒音の実態を聞き取りました。
山頂近くにある弥山本堂の前まで登った同会の会員ら二十一人に、同会の共同代表でもある吉田座主と弥山に詰める僧侶の本徳寛俊さん(45)の二人が「現状でも修行の妨げになるのに、移転で騒音がひどくなるのが心配だ」と訴えました。
本堂に隣接する求聞持堂は日本三大道場の一つとして全国から真言宗の青年僧が訪れて五十―百日間こもるため、吉田座主は「せっかく静かな場所を求めて修行に訪れるのに」と憤ります。本徳さんは「四、五年前から騒音が激しくなり、すぐ上を戦闘機が通過するのを見たこともある。かなりの爆音が耳について離れない」と語りました。
弥山頂上の展望台に登って岩国基地の滑走路を確認した会員らは「こんなに近いとは思わなかった。広島湾の一帯が基地強化の影響を受ける」と驚きの声をあげていました。