2006年2月25日(土)「しんぶん赤旗」
高齢者の負担拡大
高橋議員 食費など導入を批判
医療改悪法案
日本共産党の高橋千鶴子議員は二十四日の衆院厚生労働委員会で、所得税・住民税の各種控除の縮減・廃止や医療改悪法案は高齢者にいっそうの負担を強いると批判しました。
高橋氏は、年金所得などへの各種控除の縮減・廃止で九十万人が「現役並み所得者」にランクが上がることを見込んでいる厚労省の資料を示し、「国保や介護の保険料にも連動し、二倍以上の負担となる自治体もある。本人の所得は増えていないのに、マジックのような負担増だ」と追及しました。
さらに、医療改悪法案は、療養病床に入院する七十歳以上の高齢者の食費負担を現行二万四千円から四万二千円にし、居住費一万円の負担増を押しつけようとしています。
高橋氏は、この考え方は介護保険で昨年十月から導入されたものと同じだと指摘。「老人保健施設の利用料負担増で、退所して家に帰る相談をしたが、共倒れになると家族にとめられた」(山形の例)「退院で特別養護老人ホームを探したがどこも二、三百人待ち」(宮城の例)など、各地で介護施設からの退所を余儀なくされている実態を紹介。「同じことが医療に持ち込まれたらどうなるか」と批判しました。
川崎二郎厚労相は「食費・居住費の負担増で退所せざるを得なくなったということではない」と強弁。
高橋氏が「実態調査もせずになぜ言えるのか」と詰め寄ると、川崎厚労相は「個別の事例についてもう少し調べたい」と答えました。