
2006年2月24日(金)「しんぶん赤旗」
学力テスト不参加
全国初 地方の特色を阻害
愛知・犬山市
愛知県犬山市が文部科学省の計画している全国学力調査(学力テスト)に参加しない方針を固めたことが二十三日、明らかになりました。同市教育委員会は「地方の特色ある教育を阻害する」ことなどを理由に挙げています。不参加を表明した自治体は初めてです。
全国学力テストは二〇〇七年度から小学六年生と中学三年生の全員を対象に国語と算数・数学で実施する計画です。現在、文科省の専門家会議が実施方法を検討しています。
文科省教育課程課は「こちらとしては参加してほしいとお願いするが、最終的には各自治体が判断することになる。かつての学力テスト裁判の最高裁判決でそういう法解釈が示されており、今回もそれに従うことになる」としています。
犬山市教委指導課は不参加の理由として(1)知識偏重でなく自ら学ぶ力を人格形成の中核においた教育を目標にしており、それは学力テストで測定できるものではない(2)全国一律の調査は地方がそれぞれの特色ある教育をすすめることを阻害する(3)子どもの学力評価は日常の教育活動の中で次の授業に生きるような形でおこなうべきで、「できた、できない」だけで評価するべきではない―の三点をあげています。
二十四日の教育委員会でこの考え方を盛り込んだ教育施策を確認する予定です。全国学力テストについては、点数競争を激化し、学校教育をゆがめるおそれが指摘されており、中央教育審議会でも反対の意見が出ていました。