2006年2月23日(木)「しんぶん赤旗」
他に例ない巨大基地
共産党が岩国基地調査
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日本共産党調査団は二十二日、在日米軍再編で米空母艦載機部隊の移転が狙われている米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に入り、二〇〇八年度完成予定の新滑走路工事現場を調査しました。仁比聡平参院議員、春名直章、中林よし子両元衆院議員、藤本一規山口県議、小泉親司党基地対策委員会事務局長らが参加しました。
工事は約二千四百億円の税金を投入し、岩国基地の沖合部分を埋め立てて長さ二千四百四十メートルの新滑走路や格納庫、兵器庫、兵舎などを新設するもの。面積を一・四倍に拡張する、日本政府による事実上の米軍新基地建設です。
調査団が広島防衛施設局の担当者から説明を受けたのは、ほぼ完成している「南地区」の岸壁です。頭上にはFA18戦闘攻撃機が飛び交い、対岸の「北地区」では、ゴトン、ゴトンと音を立てながら土砂が流し込まれていました。
真新しい兵舎には、すでに海兵隊の爆発物処理隊(EOD)が移転していました。四つの桟橋も完成しており、施設局担当者は「米艦船の使用も始まっている」と説明しました。
調査団の目を引いたのは、港湾施設の真ん中にある突堤です。傾斜(スロープ)のある進入路が海中に入りこんでいます。
担当者は「海上自衛隊の飛行艇が離発着するためのもの」と説明しますが、海から陸地に直接上陸するLCAC(エアクッション型上陸用舟艇)の駐機場に酷似しています。
政府の計画では、現滑走路は誘導路になるとされていますが、担当者は「米軍がどのように運用するのかは分からない」と答えました。
完成した施設以外にも、広大なスペースが残されています。仁比議員は「他に例のない広大な基地。どこまで強化されるか分からない」と述べました。