2006年2月22日(水)「しんぶん赤旗」

「伊藤元長官、1700万円を裏金に」

政治団体元幹部本紙に証言 政治資金報告に記載せず


 「伊藤元長官に渡った千七百万円の現金は裏金として処理された」――。自民党の伊藤公介元国土庁長官(衆院東京23区)の資金管理団体などに寄付された多額の政治資金が、政治資金収支報告書に記載されていなかったことが問題になっています。寄付した側の政治団体元幹部が本紙に裏金疑惑の実態を詳しく証言しました。

 伊藤元長官の資金管理団体「東京公友会」と同氏が代表を務める「自民党東京都第二十三選挙区支部」は、政治団体「西多摩夏冬会」から一九九七年―二〇〇二年にかけて、合計千七百六十四万円の寄付を受けているにもかかわらず、収支報告書に記載していませんでした。西多摩夏冬会は、伊藤氏支援を目的として九〇年に結成された団体。

 本紙などの指摘をうけ伊藤氏側は、〇二年分の寄付百四十六万円を「事務的なミス」と訂正しました。しかし、それ以外の寄付については「関係者に事実関係を確認しているところ」(伊藤氏の国会事務所)などとしています。

 一方、地元事務所責任者は、「裏金ではない」としつつも、千七百六十四万円を受け取り、領収書を発行したことを認めました。

 証言をしたのは、「西多摩夏冬会」元幹部(58)=会社役員=。伊藤氏の私設秘書を約二十年間務めた人物です。

 元幹部は「自分たちはきちんと寄付をした。しかし伊藤氏側がそれを否定すれば、自分たちが政治資金を私物化したことになる」と“告発”の動機を説明しています。

 問題の献金は、「私が伊藤氏に議員会館などで直接手渡した」と生々しく語るとともに、収支報告書の不記載については、「伊藤氏に正しい処理を求めたが、聞き入れられなかった」と語りました。

 伊藤氏側が「調査中」として〇二年以外の献金を認めていないことについては、「領収書を含め、物証も持っている」と反論。「事実を明らかにしなければ、伊藤氏を東京地検に告発することも考えている」といいます。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp