2006年2月21日(火)「しんぶん赤旗」
世界一の気前よさ
米軍駐留経費負担
他の米同盟国26カ国分より多い
「日本の米軍駐留経費負担額は、米国の他の同盟国二十六カ国を合わせた分よりも多い」―。日本共産党の笠井亮議員が二十日の衆院予算委員会で示した米国防総省「共同防衛に対する貢献」報告(〇四年版)は、日本が米軍駐留経費負担で米国の同盟国の中でも異常に突出した役割を果たしていることを示しています。
笠井議員が追及
同報告は、米国防総省が毎年作成してきたもの。〇四年版は公表されているものの中では最新の報告で、日本を含め米国の同盟国二十七カ国を対象にしています。
米兵1人あたり 独・韓国の5倍
それによると、米軍が同盟国に駐留するのにかかる経費のうち、同盟国側が負担している額(米軍駐留経費負担額、〇二年分)は、日本がダントツで、四十四億一千百三十四万ドル(五千三百八十二億円、一ドル=百二十二円で計算)に上ります。
ドイツの二・八倍、韓国の五・二倍、イタリアの十二倍、英国の十八・五倍で、日本を除く二十六カ国の米軍駐留経費負担額の合計(三十九億八千五百八十二万ドル)よりも多くなっています。
駐留する米兵一人当たりで計算すると、日本は十万六千ドル(千二百九十三万円)。イタリアの三・八倍、韓国、ドイツの四・九倍になっています。
米軍駐留経費に占める負担額の割合も、日本は74・5%とダントツ。米軍が日本に駐留するのに必要な経費の約四分の三を日本が負担していることになります。米政府・軍の高官などが「日本はどの同盟国よりも最も気前がいい」と繰り返す理由です。
光熱水料金から住宅まで負担
日本の米軍駐留経費負担額の内訳は、▽米軍基地の施設建設費、基地従業員の労務費、光熱水料、基地提供のための民有地借り上げ料、基地周辺対策費など直接の財政支出を伴う「直接支援」額が三十二億二千八百四十三万ドル(三千九百三十九億円)▽国有地の提供、税金の免除などによる「間接支援」額が十一億八千二百九十二万ドル(千四百四十三億円)―になっています。
米軍駐留経費負担額全体の大きさはもちろん、財政支出を伴う「直接支援」の規模がけたはずれに大きいのも、日本の特徴です。
「直接支援」額が二番目の韓国(四億八千六百六十一万ドル)の六・六倍。NATO(北大西洋条約機構)諸国の中では一番多いドイツ(二千八百七十万ドル)の百十二倍です。
日本政府は、駐留米軍への「思いやり予算」と称して、日米地位協定にも負担の根拠がない基地の施設建設費、基地従業員の労務費、光熱水料、訓練費を負担してきました。
施設建設では、豪華な米兵用家族住宅やレクリエーション施設をはじめ、耐爆シェルターや格納庫など米軍の作戦を直接支援する施設も次々に建設。米軍再編で空母艦載機部隊の移転が狙われている岩国基地の拡張工事も「思いやり予算」で行われています。
これらが「直接支援」額の規模を押し上げる結果になっています。
|
|
|