2006年2月20日(月)「しんぶん赤旗」
登山文化発展の先頭に
労山が総会 「自然保護憲章」を制定
日本勤労者山岳連盟(労山)は18、19の両日、都内で第27回総会を開き、「2010年までに3万人の会員を実現する」などの活動方針を採択、自然と登山者との新しい共存関係をめざす「労山自然保護憲章」を制定しました。
斎藤義孝理事長は報告のなかで、社会的格差の広がりで登山が困難になってきた現状にふれ、「どんな状況でも登山文化の継承・発展の担い手としてチャレンジをしたい。数百万の登山愛好者を視野に、会員を増やす運動をすすめていこう」と呼び掛けました。重点課題として▽事故防止、技術教育の強化▽自然保護憲章の普及と実践▽将来の登山界の担い手となる若い登山者層を育てる▽山岳団体間の協力共同▽アジアの中の登山団体の一員として平和と友好の国際交流―などを提案しました。
来賓としてあいさつした日本ヒマラヤ協会の酒井国光会長は、「山岳団体の協力で、前向きな姿勢の労山が先頭に立ってほしい」と期待を表明。討論では、登山文化を発展させるために若い登山者の組織や、登山者教育で事故を減らす努力が語られました。
大型クラブが各地で脱会し、会員を減らしている問題では労山の理念や役割を改めて学ぶことが強調されました。京都の代議員は登山学校の中で登山の歴史と労山をテキストに組み入れ、会とのパイプが太くなったと発言。斎藤理事長は「先輩たちがどう考えて労山をつくったのか、いま問い直す必要がある」と原点に立ち返ることを求めました。
また、自主的に運営されている共済制度も規制される改正保険業法によって遭難対策基金が影響を受ける問題では、他団体と協力して適応除外を求めていくことになりました。
総会は斎藤理事長(再)、川嶋高志事務局長(再)ら新役員を選出しました。