2006年2月20日(月)「しんぶん赤旗」

ドイツ大手銀行

ナチとの関係反省

侵略・強制収容所に協力

2300ページの報告書


 【ベルリン=片岡正明】ドイツの歴史研究家グループはベルリンで十七日、独銀行大手ドレスナー銀行がナチス政権(一九三一―四五年)や戦争犯罪と深くかかわっていた事実を調査した報告書を発表しました。ドレスナー銀行自らが一九九七年に独立機関に調査を委託していたもの。歴史研究家が八年の歳月をかけ、十カ国以上、八十の資料館で調査し、二千三百七十四ページの報告書にまとめました。


 ドレスナー銀行は大手銀行の中でも特にナチス政府と関係が深く、ナチ親衛隊の突撃隊へ四千七百万ライヒス・マルクの資金を提供していたことなどでも知られます。

 報告書では、ナチス・ドイツのオーストリア併合、チェコスロバキアへの侵攻を一獲千金のチャンスとして政権に食い込んでいった様子などが記されています。

 また、強制収容所やゲットーで生活しているユダヤ人の年金をナチが「われわれが彼らを養っている」と横取りするのを助けたことなどが書かれています。

 ドレスナー銀行自らが百六十万ユーロを投じて調査を委託したのは、「米国での集団強制労働補償訴訟や新たな資料がドイツ第一公共放送(ARD)の番組で明らかになったため、調査を迫られた」(南ドイツ新聞)との事情があります。

 ドレスナー銀行の取締役の一人、ウルフ・マイアー氏は「どのように痛みを伴うものであっても、真実は受け入れなければならない」と語りました。

 報告書は、全四巻の「第三帝国のドレスナー銀行」とのタイトルで近く市販されます。


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