2006年2月20日(月)「しんぶん赤旗」
首相候補にハニヤ氏
ハマス 5週間以内に組閣
パレスチナ
【カイロ=小泉大介】パレスチナの武装抵抗組織ハマスは十九日、新自治政府の首相に先の評議会選挙で同組織の比例名簿一位に登載されたイスマイル・ハニヤ氏(46)を指名しました。
ハニヤ氏はガザ出身で、ハマスの中では比較的穏健な立場とされます。当初、首相候補としてハマスに近い独立系の経済人を擁立する動きや、実務家を中心にした組閣をおこなうとの見方もありましたが、今回の指名により、新政府はハマス色の濃いものになるとみられます。
ハニヤ氏は、議長に正式な組閣要請を受けてから、五週間以内に組閣を終える必要があります。これに失敗すれば、議長は他の政治勢力に組閣を改めて要請。内閣は、評議会での承認を経て正式発足します。
ハニヤ氏は自治政府のアッバス議長と近日中に会談し、組閣の基本方針や政策を協議することになります。しかし、対イスラエル武装抵抗の堅持を掲げるハマスと交渉による和平をめざすアッバス議長との溝は依然として深く、また同議長の支持母体のファタハは、ハマス主導政権への参画を拒否する方針を示しており、組閣の行方は予断を許しません。