2006年2月15日(水)「しんぶん赤旗」
確約違反の「診療報酬改悪」
現行の医療保障維持
スモン患者に厚労省が謝罪
来年度からの診療報酬改定案で、スモン患者らのための「特定疾患療養病棟入院料」等を患者に相談なく廃止しようとしていましたが、十四日、厚生労働省の保険医療企画調査室の堀江裕室長は、全国から集まった患者、家族に謝罪し、現行制度を後退させないことを約束しました。
同「入院料」は、スモンなど神経難病や、筋ジストロフィー患者を入院させている病棟が対象。「改定案」ではこれを廃止し、患者の状態を三区分に分けて入院基本料に格差をつけるというもの。厚労省は当初、スモン患者を「中程度」として、現行の改悪を予定していました。
患者三団体は、「私たちは薬害被害者。国は責任を認め、恒久対策は協議すると確約したことに違反する」「安心して入院できる保障がなくなり、退院の強要がおこりうる」と抗議し、見直しを要請していました。
この日、堀江室長はスモン患者は病状によらず、最重度の区分に明記することを約束しました。
医療現場では、「スモンは終わった」として、全額公費負担の医療から介護保険に移され、自己負担を強いられるケースが後をたたないといいます。「病院から締め出されることがないようにしてほしい」と患者らは求めました。