2006年2月14日(火)「しんぶん赤旗」
国が教科目標設定
中教審部会報告 現場の自由制約
中央教育審議会の教育課程部会(木村孟部会長)は十三日にまとめた「審議経過報告」で、国が各教科の到達目標を示し、その目標に照らした子どもの学習到達度を学力テストなどで検証することを打ち出しました。
「報告」は、「学校教育の質の保証のためのシステム」として(1)学習指導要領で各教科の到達目標を明確に示す(2)到達目標を達成するため自治体や各学校の創意工夫を生かす(3)全国的な学力調査で結果を把握・検証する―ことを提起しました。
具体的な目標は示していませんが、部会の議論では「自分の考えをA4一枚(千字程度)で表現する」などが例示されており、授業の内容にかかわるような細かな内容の目標を検討しています。
国が事細かに目標を決めチェックすることになれば、現場の自由は大きく制約されます。全日本教職員組合の山口隆副委員長は「創意工夫を生かすといっても、入り口で国が目標を押し付け、出口でも国が評価をおこなえば、現場はがんじがらめにされてしまう。学力を保障するためには、教師が子どもの実態に応じて教育活動ができるようにすることこそ必要です」と語っています。