2006年2月12日(日)「しんぶん赤旗」
ボロもうけ 社会に返せ
トヨタ総行動に1600人
「トヨタは社会的責任を果たせ!」―。空前の利益を上げながら賃金抑制の旗振り役をする日本経団連の奥田碩会長が会長を務めるトヨタ自動車本社や工場前(愛知県豊田市)を十一日、千六百人の唱和が包みました。
全労連や愛労連などでつくる実行委員会による「トヨタ総行動」。今回で二十七回目。
三年連続一兆円を超える利益を見込む一方で、長時間過密労働と不払い残業、下請け企業に単価の切り下げを押しつける横暴を許すなと、東京、大阪はじめ各地から労働者や中小業者、大気汚染公害患者らが参加。「もうけ独り占めの罪」など五つの罪状を書いた横断幕やプラカードを掲げて終日行動しました。
トヨタで働く石田邦芳さん(56)は「派遣や期間工が急増している。期間工の二十八歳の若者は、人生設計が成り立たないと去った。四年ぶりの賃上げ要求に期待が高まっている。希望のもてる職場にしたい」。
「正規雇用のルールをつくってほしい」と語るのは、徳島にあるトヨタの孫会社、光洋シーリングテクノで働く矢部浩史さん(40)。「派遣だから何年働いても賃金は一円も上がらない。組合を結成して時給が三十円上がりましたが、フルに残業しても年三百万円にも満たない。使い捨ての雇用形態はやめてほしい」
前日の発作で点滴を受け貸し切りバスで東京から参加した森倉次郎さん(54)は「トヨタは加害者なのに責任をとっていない」と怒りを抑えきれない様子で話しました。
市内の公園で開いた集会では、羽根克明愛労連議長と熊谷金道全労連議長が「トヨタは利益を社会に還元する社会的責任がある」と訴えました。