2006年2月10日(金)「しんぶん赤旗」
医療改悪 はね返そう
全国から1万4000人 集う
さいたま “生活破壊 小泉政治ノー”
「医療を大企業の市場にするな」の横断幕、胸には「医療改悪反対、庶民大増税反対」のゼッケン――医療改悪法案が十日にも国会に提出されようとしているなか、「許すな 医療改悪・大増税! 2・9国民集会」が九日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開かれました。全国から一万四千人(主催者発表)が広い会場を埋め、小泉内閣のすすめる命と暮らしを破壊する政治を国民の連帯した力ではね返そうと訴えました。
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北海道から飛行機で参加した大島繁さん(63)=留辺蘂(るべしべ)町=は、氷点下二〇度のなか特別養護老人ホームや理髪店をまわり六百六十人の医療改悪反対署名を集めてきました。病気がちで年金生活。「こんどの改悪を許したら生活は守れなくなる。断る人は一人もいなかった」といいます。
歯科医の小塚信幸さん(57)=愛知県大府(おおぶ)市=は、二千七百人の署名を集会前に国会に提出しました。「介護保険改悪で施設入居者の自己負担が増え、歯を治療していた人も退所を余儀なくされました。高齢者に負担を増やす医療改悪を許してはなりません」
集会では、団体と地域の代表が思いや運動を交流。「医療費があがっても診療や食費を減らすわけにはいかない。医療改悪は、コップ一杯の晩酌をも高齢者から奪うものだ」などの発言が相次ぎました。
集会は、医療団体連絡会議、全労連、中央社会保障推進協議会が共催。消費税廃止各界連絡会が協賛しました。
主催者あいさつした全国保険医団体連合会の住江憲勇会長(医団連代表委員)は、高齢者に大きな負担を背負わせ、国民の生活を破壊する小泉「構造改革」ではなく、「もう一つの日本をめざして国民の大同団結を」と呼びかけました。
日本共産党の志位和夫委員長が連帯あいさつ。社民党の福島瑞穂党首、各県の医師会や歯科医師会からメッセージが寄せられました。
「この国に生まれてきて良かったと思える日本」をめざし、「地域から小泉構造改革ノーの声を」との集会アピールを受けて、各地で一万人集会をはじめかつてない規模の署名・宣伝行動が計画されています。
■志位委員長があいさつ
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連帯あいさつに立った志位和夫委員長は、政府・与党がすすめる「医療制度改革」が医療の分野にまで「改革」の名による弱肉強食を持ち込み、公的医療制度を土台から破壊・解体する大改悪であるとして二つの大問題を告発しました。
第一は、高齢者にたいし窓口負担を二割、三割に引き上げ、七十五歳以上のすべてから医療保険料を年金から天引きするなど情け容赦のない負担増がおしつけられようとしていること、第二は、医療保険制度を根本から崩し、保険証一枚でかかれる医療を切り縮め、保険のきかない医療を拡大しようとしていることです。
志位委員長は、その背景に日本の財界とアメリカの保険会社・医療業界の要求があるとのべ、憲法二五条の精神を生かし日本の医療制度を立て直すために、(1)窓口負担の引き上げに反対し軽減を求める(2)保険診療が可能な医療を狭めるのではなく充実させる(3)削減された国庫負担を計画的に戻す―の三つを提案。「社会的連帯の力で、医療改悪をはねかえし、憲法二五条を生かした社会保障を築こう」と呼びかけました。