2006年2月8日(水)「しんぶん赤旗」

東海でゆっくり地殻変動

広い範囲で観測

防災科研


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 防災科学技術研究所は七日、東海地方の広い範囲の地下で先月七日から二十三日までゆっくりした地殻変動が起こっていたことを明らかにしました。同研究所の高感度地震観測網がとらえました。東南海地震や東海地震の震源域と重なっていることから、これらの地震や南海地震の起き方を解明するうえでも今回の現象の解明が重要だとしています。

 観測されたのは、「スロースリップ」と呼ばれ、プレート境界がゆっくりすべる現象。先月七日に、三重県と奈良県の県境にある大台ケ原付近の地下三十キロメートルほどのところですべり始めました。その後、すべりは同じぐらいの深さのところを北東方向に移動しながら続き、先月十六日には伊勢湾を越えて愛知県の地下にまで広がり、二十三日に愛知県東部に到達したところで止まりました。

 地下のすべりは、約二百キロメートルの距離を一日約十キロメートルずつ移動しながら続いたことになります。各地点ですべった量はわずかでしたが、全部を足し合わせると放出されたエネルギーは、マグニチュード6・2の地震に相当するといいます。

 スロースリップは、東南海地震の震源域にあたる紀伊半島の地下や、東海地震の震源域にあたる愛知県の地下で半年周期で発生していることがわかっています。しかし、紀伊半島の地下で始まった現象が伊勢湾を越えて愛知県の地下にまで達したのが観測されたのは初めてだといいます。


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