2006年2月8日(水)「しんぶん赤旗」
佐賀県が「安全」表明
「証明ない」と共産党抗議
玄海原発プルサーマル計画
九州電力の玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機のプルサーマル計画について、古川康佐賀県知事が七日、県庁で会見し「安全性の確保がはかられている」と、計画を実施する方向で見解を発表しました。
県の判断は、(1)原子炉の制御性(2)燃料の健全性(3)MOX燃料の使用実績、など八項目の論点を検討し、「国の安全審査」によって「理解・納得」したとしています。
同計画は使用済み核燃料からとり出したプルトニウムとウランとの混合酸化物(MOX)燃料を既存の原発(軽水炉)で再利用しようというもの。同様の計画を打ち出している東京電力などでは、原発の検査記録を改ざんしたり、冷却水が循環する原子炉内部に多数のひび割れを見つけながら国といっしょに放置してきたずさんな原発の安全管理が表面化。地元関係自治体の反対もうけ、計画は頓挫していました。
唐津市議会はこの問題で、「県は隣接する唐津市の同意を得るべきだ」と計画の是非を協議しています。
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日本共産党佐賀県委員会は同日、佐賀市内で「安全性の確保は証明がなく、受け入れられない」と、すぐさま抗議の宣伝行動をしました。
宣伝行動で、日本共産党の武藤明美県副委員長は「原発のある玄海町や近隣の唐津市などの住民から『安全性が確認されていない』と、心配する声がひろがり、同計画に反対する運動がおこっています。古川知事は、佐賀県をプルサーマルの実験場にするのか、県民は断じて受け入れられない」と批判しました。
「同様の計画を進めてきた関西電力や東京電力も頓挫しているなかでいち早く佐賀県が導入への条件づくりをすることは県民の理解を得られることではない。いっそう心配と不安が増す」と、ともに反対する世論づくりを呼びかけました。