2006年2月8日(水)「しんぶん赤旗」
6カ国協議復帰要求
北朝鮮に日本側 「拉致」も再協議
【北京=菊池敏也】北京市内のホテルで開催中の日朝政府間協議は四日目の七日、安全保障と拉致問題を個別に協議しました。
午前は北朝鮮の核・ミサイル問題、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の早期再開などが主要なテーマ。二〇〇二年九月の日朝平壌宣言では、「安全保障にかかわる問題」についての協議を定めていますが、今回は、安全保障問題での初の本格的協議となりました。
安保協議には、日本側が山本忠通北朝鮮核問題担当大使、北朝鮮側は鄭泰洋外務省米州局副局長が出席しました。
山本大使は協議に先立ち、「日朝国交正常化のためには、拉致問題と並び核・ミサイル問題の解決が不可欠」と指摘。また「核問題解決のため六カ国協議に早く復帰するよう求めたい。日本の安全保障を脅かすミサイルの廃棄も求め交渉したい」と述べました。
日本が求めた六カ国協議への早期無条件復帰について、北朝鮮側は七日の協議でも六カ国協議の重要性は認めたものの、「直ちに復帰するとは言っていない」(山本大使)といいます。
午後は、拉致問題に関する再協議でした。五日と同様、日本側が梅田邦夫外務省アジア大洋州局参事官、北朝鮮側は金哲虎外務省アジア局副局長がそれぞれ出席しました。
梅田参事官は協議後、「誠意ある措置を強く要請したが、先方からは納得のいく答えがなく、溝はせばまることはなかった。非常に遺憾なことと思う」と記者団に語りました。
他方、金副局長は、日本側が横田めぐみさんの骨を別人のものと鑑定したことに対して、「偽物というなら速やかに返還すべき」と主張しました。