2006年2月7日(火)「しんぶん赤旗」
コスタリカ大統領選
ノーベル平和賞受賞のアリアス氏小差 リード
【メキシコ市=松島良尚】中米コスタリカで五日、任期満了に伴う大統領選挙と国会議員選挙が行われました。野党・国民解放党(PLN)のオスカル・アリアス元大統領(65)が小差でリードしています。
選挙最高機関によれば、開票率約69%の時点でアリアス氏は40・73%の得票率。事実上の一騎打ちとなった国会第三勢力・市民行動党(PAC)の創設者、オットン・ソリス元国家企画・経済政策相(51)が40・13%と追い上げています。同国では有効得票の40%以上を獲得すれば、決選投票を待たずに当選が決まります。コスタリカは、米国・中米・カリブの計七カ国で締結した中米自由貿易協定(CAFTA)を唯一批准していません。アリアス氏は、「自由貿易協定を結ばなければ内外の企業は投資しない」と述べ、CAFTAを即時、批准すべきだと主張してきました。
同氏は一九八六年から九〇年まで大統領を務めました。八七年に、ニカラグアなどで続いていた中米紛争を和平合意に導いたとしてノーベル平和賞を受賞しました。
一方、ソリス氏は、CAFTAによって貧富の差が拡大する可能性などを指摘し、協定の見直しを訴えました。開票状況は、CAFTAをめぐり世論が二分していることを印象づけています。
今回の選挙は、三人の元大統領が汚職やその容疑で拘置、捜査されるなかで行われました。そのため有権者の政治不信が高まっているといわれます。
棄権は前回を4%ほど上回る35%前後の見通し。二期連続で政権を維持した与党・キリスト教社会連合党(PUSC)の候補者の得票は数%にとどまっています。