2006年2月7日(火)「しんぶん赤旗」

小泉内閣

「改革」いいながら 官製談合続発なぜ


 防衛施設庁を舞台に広がりをみせる官製談合事件。小泉純一郎首相や与党幹部はにわかに、天下りの規制強化などをいいはじめました。「改革」というなら真っ先にメスを入れるべきだった政官財の癒着。それを野放しにしてきたのは小泉内閣です。


■防衛施設庁 だけじゃない

 官製談合事件は、二〇〇一年四月の小泉内閣発足後、毎年のように摘発されています(表)。しかも、ほとんどが同じ構図。官公庁が受注業者に天下りを確保させ、その見返りに仕事を業者に割り振るというものです。今回の防衛施設庁による官製談合事件でも、空調設備工事をめぐり「官」と「業」の癒着が摘発されました。

 旧道路公団発注の橋りょう談合事件(〇五年七月)では、「K会」「A会」とよばれる談合組織加盟の四十九社が談合を繰り返していました。各社に天下った公団OBが現職から情報収集して各社に工事を割り振り、落札価格をつり上げ。五年間に推定三千億円を超える不当利益を得ていました。

 旧成田空港公団発注の電機設備工事談合事件(同十二月)では、公団側が競争入札前に、メーカー側に受注予定社になったことを伝え、予定価格の情報を漏らしていました。受注予定社の決定には旧公団OBの天下り状況などを考慮。通常の民間工事に比べ、粗利益率は一・五倍にのぼったとメーカー側は供述しています。

 つり上げられた落札価格にもとづく支払いの原資は、もとをただせば税金などの公的資金や通行料、空港着陸料など国民から出た資金。被害者は国民です。

 しかも、談合でメーカーが得た不当利益の一部は政界にも流れます。橋りょう談合にかかわった二つの談合組織への加盟企業からは、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に〇三年までの十一年間で約十六億円もの献金が渡っていました。

表


 ▼官製談合 公共事業で入札に参加する業者が事前に相談して受注業者を決めることを談合といいます。官製談合は、発注側(官公庁など)が受注業者を決め、予定価格を漏らすなどして落札させる手口です。

 談合への「官」の関与は以前からありましたが、北海道上川支庁発注の農業土木工事談合事件を二〇〇〇年五月、公正取引委員会が全国で初めて官製談合と認定。〇二年の官製談合防止法の制定につながりました。


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